世界中の仮想通貨規制についての最新情報

現在、世界中には数千種類の仮想通貨が存在するとも言われています。その話題性の高さから、興味を持っている方も多いのではないのでしょうか。投資や副業の手段のひとつとして仮想通貨を利用したFX取引をはじめる方も増えていると言われています。モメンタム インジケーターを逐一チェックし、仮想通貨の動向を探る投資家の増加とともに、世界的にも流通が拡大したことで、メリットだけでなくデメリットも表面化し、各国で仮想通貨に対する規制を設ける動きも多く見受けられるようになってきました。ここでは規制の傾向について見ていきたいと思います。

仮想通貨とは

昨今、ニュースの話題に上ることも増えた『仮想通貨』。法的な正式名称では『暗号資産』とも呼ばれる仮想通貨は、インターネット上にのみ存在するデジタル通貨のことで、一般的には取引所や販売所と呼ばれる仮想通貨交換業者を介して利用することができます。仮想通貨の代表的なものとしてビットコインやイーサリアムなどの種類がありますが、どの通貨も入手・取引を行うためには仮想通貨取引所で口座開設をするのが基本となっています。現在、世界中で仮想通貨の種類は2,000以上あると言われており、その大きな特徴は、法定通貨で言うところの中央銀行といった管理者が存在しないことです。つまり、紙幣や硬貨などは存在していませんが、通貨と同等の価値があると考えられているため、料金の支払いや買い物などに使用することも可能となっています。また、仮想通貨の種類にもよりますが、基本的に安い手数料で送金などを行えることが魅力の1つとされています。

日本における仮想通貨の扱い

世界に先駆けて、日本では2017年4月1日に資金決済法に仮想通貨に関する箇所が追加・施行されました。これは世界的に見ても初めての仮想通貨に関する法律と言われています。この資金決済法では、仮想通貨を法定通貨ではない支払い手段のひとつと定義し、仮想通貨の取引所(仮想通貨交換業者)を登録制とすることが定められました。また、顧客資産の分別管理や、顧客への情報提供など、投資家保護の枠組みも同時に整備されました。その後、仮想通貨の流出事案や、仮想通貨バブルによる投機対象化、ICO詐欺事件など、仮想通貨を取り巻く環境の変化を受け、制度的な対応について検討が重ねられました。2019年5月には、資金決済法・金融商品取引法等が改正・施行され、投資家保護を強化するとともに、ICO・STOやデリバティブ取引などに関する規制が整備されることとなりました。ICOとは、イニシャルコインオファリング(Initial Coin Offering)の略称で、日本語では『新規暗号資産公開』とも訳されています。簡単に説明すると、新規にビジネスや事業を立ち上げようとする企業や団体などが、その資金調達のツールとして暗号資産を発行し公開することを指しています。ここで公開される暗号資産は企業が開発した独自のもので、その暗号資産を公開株式のように用いて事業を運営するための投資を募る、という手法です。この手法を利用して

構想だけで実体のない事業や、悪徳な業者が関わっているものから消費者を守るためにも規制が設けられることとなったのです。

アメリカ

世界的に見ても仮想通貨関連の開発が最も活発な地域であり、仮想通貨ユーザーの比率も高いアメリカですが、州によって法律が違うため、規制も厳しいところとそうでないところに分かれているのが現状です。国としては、2018年に販売所や取引所について、日本と同様に登録制とするよう発表しています。今後も課税面などで更なる規制が生まれる可能性もあるものの、日本と同様に、仮想通貨取引については、おおむね容認する方向を見せています。反面、明確な規制枠組みが欠けてもおり、一部の意見では、これが企業をアメリカ国外に追い出す原因となっているとも言われています。それを鑑みて、今年半ばにはアメリカの議会において共和党議員らがこの分野の企業に対する規制の明確化を目的とする『機能的な枠組み』の確立を提案するなど、動きが活発化してきています。

ヨーロッパ

マネーロンダリング対策(AML)と顧客確認(KYC)に関する厳格な法律があるスイスでは、規制枠組みが明確であり、仮想通貨業界に対してもどのように運営すべきか明確な指針が提供されています。また、ドイツでは、決済などにおける暗号資産の利用方法によっては課税が減免されたり、フランスでは暗号資産の先物取引に関して規制対象となっていたりします。イギリスでは、金融規制当局である金融行為規制機構(FCA)は、仮想通貨業界に自らの規制枠組みの策定に協力するよう呼びかけている。現在は規制部門に限定的な権限があり、規制が施行された際には企業に4か月間の猶予期間が与えられるとしています。

このように、ヨーロッパでは各国によって内容は異なるものの、今年6月には欧州議会で暗号資産市場規則(MiCA)と呼ばれる画期的な法案が承認されるなど、おおむね暗号資産を正しく流通させるための規制として前向きな流れとなっています。

アジア各国

韓国やタイ、台湾では、日本と同様に仮想通貨を「容認しつつも適宜規制する」という様子が見受けられます。韓国では、一時全面的に暗号資産取引の規制を強化していましたが、2019年に入って一部緩和され、仮想通貨取引所やサービスプロバイダーが顧客資金と企業資金を分離することなどを求める包括的な仮想通貨法案の成立が検討されています。一方、アジアの中ではIT先進国とも言われているインドでは、仮想通貨に対してAML規則を適用している反面、仮想通貨業界に対する明確な規制が欠けており、2022年には重い課税法が導入されたこともあり、仮想通貨取引所の活動が大幅に減少しました。また、インド準備銀行は2018年に仮想通貨を全面的に禁止しましたが、最高裁は2020年にそれを違憲とする判決を下し、現在は容認に転じつつあるようです。このように仮想通貨を、規制を設けつつも容認している国があるのに対し、中国やネパールなどでは仮想通貨は全面禁止の方針を変更していません。

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