俳優には俳優ならではのあるある話や悩みがあります。
小さい例で言えば、日常生活で着物の着方を知らなくてもあまり困ることはありませんが、俳優を目指す人で特に時代劇に出演する場合などには着物の着方を知らなければ困ります。
着方だけではなくて「着こなし方」もですね。
私も最初、レッスンで着物のたたみ方を知らなくて困りました。
撮影現場や舞台の現場などで実際によくある困りごと、悩み、あるある話は他にもたくさんあるので、俳優にありがちな困りごとや悩み、そして気をつけておきたい共演者やスタッフに対するエチケットについてご紹介します。
■俳優ならではのよくある悩み
まず実際に俳優にはよくある、俳優ならではの悩みをご紹介します。
・衣装がビショビショになるほどの汗の量
撮影現場でも舞台の現場でも多いのが「汗かき」の問題です。
撮影や舞台ではほとんどの場合が衣装は借り物になるので、衣装が汗だくになってしまうほどの汗かきの人にとっては困りの種でもあります。
汗の結晶が白くなったりしたら恥ずかしいかも…
衣装スタッフさんにも気を使いますし舞台の場合だと毎日着続けないといけない衣装なので吸汗性の優れたインナーを中に着込むなどして対策しておきたいところです。
・顔に汗をかきやすい
汗の中でも俳優にとって一番困るのが顔に汗をかきやすい人です。
あまりにも顔に汗をかきすぎて撮影中に汗が引くのを待たなければいけないというような状況もあったりします。
また、せっかくメイクして頂いても顔汗が多いとすぐに落ちてしまって、何度もメイク直しをさせることになってしまいます。
顔によく汗をかく人は汗に強いメイク道具を使うなど対策を練っておきたいところです。
・手汗の量が多い
手汗も共演者に気を使います。
特に「顔に手を触れる」「手を握る」など相手役に直接触れなければいけないシーンがある場合には、手が汗でベタベタしていると不快感を与えてしまうので対策しておきたいところですね。
せめてハンカチくらいは持っておこう…
・衣装に移ってしまうほどの汗の臭い
汗の量と同様に困るのが汗の臭いです。
これは撮影現場でも舞台の現場でも多い話です。
本人も周りも気を使いますし、気づいていてもなかなか指摘できない部分なのでお互いに微妙な空気になります。
こまめに脇汗を拭き取るなり、制汗スプレーを振るなりして対策しておきたいところです。
特に借り物衣装の場合はマナーとしてできる限りの対策が必要です。
重度のワキガや体臭などでお悩みの場合はクリニックでの治療を検討してみるのもおすすめです。
・相手役に不快感を与えてしまう口臭
相手役との対話があっての演技なので口臭も気になるところです。
特に相手役と近い距離で会話する場合などは相手役に対してのマナーとして対策しておくべきでしょう。
- こまめに歯を磨く
- 撮影や舞台の出番前にはマウスウォッシュなどで口内洗浄する
など、常に気を配っておきたいところです。
・本人が気づきにくい足の臭い
足の臭いもよくある困りごとの1つです。
足の臭いの困るポイントは、意外と本人が気づきにくい点です。
撮影でも舞台でも靴の中は蒸れやすいので自分が思っている以上に足も臭くなりやすいです。
特に衣装さんが用意してくれた靴を着用する場合などはマナーとして対策しておきたいところです。
・人に移してしまわないか心配の水虫
水虫の人は衣装で用意された靴を履くときに気を使います。
その靴を誰かに使い回すなんてことになったら移してしまう危険性もあります。
そ、それは絶対嫌だ…
必要があれば医師はもちろん、衣装スタッフなどにも事前に相談しておき、自前の靴を準備するなど対策を打つことをおすすめします。
・羽二重の長時間着用による抜け毛
かつらを被る下に着用する「羽二重」というものがあります。
実際に頭につけた写真はこちらです。
昔の僕です(笑)
商業舞台の座組みにいた頃は1ヶ月の内の20~25日を舞台公演のため、この羽二重
この羽二重の下の頭皮は常に蒸れた状態だからなのか、羽二重自体がこすれるからなのかはわかりませんが抜け毛が激しくなる俳優が多いです。※当然、個人差があります。
当時は、使って効果のあった育毛シャンプーを共演者が紹介してくれ、皆同じものを購入して予防しました。
抜け毛や薄毛が気になる人は何かしらの予防対策をしておくとよいと思います。
・俳優の一番大事な部分ともいえる喉の不調
映像の撮影でも舞台公演でも俳優の最大の軸となる声。
喉の不調は俳優を一番悩ませ、困らせます。
乾燥やほこりっぽい場所などには敏感に対策しておきたいところです。
また、喉を傷めにくくするためにも正しい発声方法も身につけておくことが必要です。
・俳優としてのイメージにそぐわないムダ毛、体毛
俳優にとってセルフブランディングが大事だということは別の記事でも書いていますが、自分の俳優としてのキャラやイメージに合わないムダ毛に悩む俳優も少なくありません。
イケメンが売りの美形の俳優に胸毛や乳毛が似合わないなど個人的イメージもですが、演じる役柄のイメージにそぐわない場合も同じです。
乳毛って…。人によっては幻滅される場合もあるんだろうな~
化粧品メーカーのマンダムの以下の調査結果では、初対面の異性に会ったとき4割以上の人が「肌」を見ているという調査結果もあります。
俳優は作品や物語上、必要があれば脱ぐことを要求される場合があります。
常日頃から「いついかなる時も脱げる状態」を意識しておきたいところです。
・美しくない歯並びや歯の状態は多くの俳優の悩みの種
ほとんどの俳優が定期的にケアしている大事な歯。
特に映像で活動する俳優などは虫歯の治療はもちろん、月に1回などの割合で歯石の除去、クリーニング、ホワイトニングなど定期的なメンテナンスをしています。
たとえば、大富豪の役を演じるのに、画面に映った口元には虫歯治療した際の一番低価な銀の被せ物(銀歯)などが映っているとイメージ的に合いません。
そのように、ムダ毛などと同じで自分の俳優としての個人的イメージだけではなく演じる役柄のイメージに合わない場合が出てくるので普段からケアしておきたいところです。
■相手役や衣装さんに対して守りたいエチケット
共演者(特に相手役)や衣装スタッフなどに対してのエチケットは、簡単に言えばここまでにご紹介した悩みや困りごとの事前対策ということになります。
事前に予防や対策をして、できる限り周囲に不快感を与えない配慮を心がけたいところです。
・人と接する仕事だけに臭いには気を配りたい
やはり何と言っても一番に気を配りたいのは臭いです。
自分では気づかないまま周囲に不快感を与えてしまう恐れがあるからです。
身につけるものはもちろん、髪や口、足などのさまざまな体臭にも敏感に気を配り事前対策をしておきたいところです。
・多汗、汗かきも事前に対策
自前の衣装で誰とも接触しない役柄であれば周囲への影響は少ないかもしれませんが、誰かと接触する、または借り物衣装で衣装スタッフさんにお返しする場合などはできる限り綺麗な状態を保ちたいところです。
多汗は食生活の改善や内用薬、外用薬、漢方などさまざまな対策ができるので、汗かきな人は事前対策をしておくことをおすすめします。
・人に移してはならない水虫の対策
これはエチケットどころではなく絶対に厳守するべきルールでありマナーですが、水虫を自覚している人は必ず対策しておくべきです。
特に衣装で用意された靴を借りる場合や、シーンの中で使用するスリッパなど、誰かと共有する可能性がある場合は、最低でもアルコール除菌スプレーなどは持ち歩き自分が履いたあとは消毒するなどの気遣いが大事です。
・役柄に必要のないムダ毛処理(脱毛)
ムダ毛があったからと言って誰かに迷惑をかけるわけではありませんが、たとえばベッドシーンなど誰かと接触するようなシーンの場合には、演じる役柄にとって必要がないのであればムダ毛のケアはしておきたいところです。
相手役に対しての配慮にもなります。
■その他のエチケット
俳優だからという理由だけでなく、マナーやモラルとして心がけたいことの1つは風邪気味など体調がすぐれない時の対策です。
体調がよくないときは必ずマスクを着用し、できる限り人には近づかない、接触しないなど。
また、体調だけでなく気分やメンタル面がすぐれない時も同じです。
自分個人の問題だけではなく周囲に与える影響を考えて行動するようにしたいところです。
映画もドラマも舞台も、お芝居の世界はチームプレーです。
俳優一個人のことが全体に影響します。
なので「自分のことは全体のこと」と捉え、家族に接するのと同じような心がけで対策していきたいところです。