「滑舌がよくなる方法を知りたい…」
「歯並びを矯正すれば滑舌はよくなるか?」
「リップノイズ(ピチャっという唾の音)が鳴らないようにする訓練方法や練習の仕方が知りたい」
など、ワークショップでも滑舌に対する不安や悩みを持っている人が多いです。
そんなとき、早口言葉などの練習をする人が多いですが、滑舌にあまり自信がない人が最初にやった方がいいのは「口の形」を体に馴染ませること。
そして、必要な筋肉を鍛えること。
筋肉と言っても顔の表情筋のことなので、ウェイトトレーニングなどではありません。
僕自身、ナレーションの仕事やラジオのパーソナリティをやらせてもらっていた経験があるんですが、もちろん声の仕事をするにあたってはナレーターになるための学校に2年通いました。
その学校でも、最初にやることは、どんな原稿を読んでも口がスムーズに動くように、1つ1つの音(声)をハッキリときれいに発声する練習から始まります。
最初はそればっかりでした。
でも、後になって実感したことですが、最初にそうやって体に叩き込んでおくと、わりとどんな原稿を渡されても少し練習すればスムーズに口が動くようになるんですよね。
なので、ワークショップで滑舌に自信のない人や、滑舌をよくしたいと思っている人には、まずは基本の口の形を体に叩き込むことから始めてもらいます。
その結果、ほとんどの人が滑舌のことで悩むことはなくなります。
もしも、今よりもっと滑舌をよくしたいと思っているなら、まずは1つ1つの音が粒だってきれいな音になるまで口に形をしっかり叩き込みましょう。
その為の、一番最初の練習資料として基本の「五十音」をおすすめします。
どんなに忙しいときでも、このくらいは口を動かす時間を作れると思うので、必ず毎日訓練しましょう。
また、練習のたびにこのサイトを開かなくていいように、それぞれをPDF資料にしておきましたので是非ダウンロードして、スマホなどに保存して利用してみてください。
滑舌の練習。基本の五十音(3種類)
基本の五十音① PDF資料のダウンロードはこちらから①
基本の五十音② PDF資料のダウンロードはこちらから②
次の3つ目は、しっかりと訓練しておかないと流れやすいというか、滑りやすい行の強化訓練になります。
他にも、特にサ行などは苦手という人も多いので、自分の苦手な行に置き換えて利用してください。
滑舌強化 PDF資料のダウンロードはこちらから③
滑舌の基本練習をするときの注意点
最初にやるのはこのような簡単な練習方法ですが、最初は、1音1音を粒だててきれいな音にするのがかなり難しいことがわかると思います。
人間って面白いもので、苦手な音は無意識で微妙な音でごまかしたり、急にスピードが速くなったりします。
そこで、この基本の五十音の訓練をするときは以下の点に注意して訓練してください。
- 急がない。1音1音をはっきり、ゆっくり、しっかり確認しながら。
- ごまかさない。少しでも「ん?」と思ったら何度でもやりなおす。
- きれいな音が出たときの口の形を意識しながら。
- 口は大きく開く。形の訓練なので最初は大げさなくらい大きく。
- 録音してみる。
①急がない
ここでの練習の目的は、早くしゃべることでもスムーズにしゃべることでもなく、1音1音をきれいに発音すること。そして、きれいに発音できたときの口の形を体に叩き込むこと。
なので、1音1音ゆっくりと音や口の形を確かめながら、しっかりとやりましょう。
②ごまかさない
これは本番でもよくあることですが、人間って苦手なところはできるだけ早く終わらせたい心理が働くのか、スピードが急に速くなったりします。
そのため、失敗したとしても気づきにくいのは確かなのですが、はっきりときれいに伝わらないのも確かです。
なので、これはあくまで訓練なので自分をごまかさずにしっかりと確認して、うまくいかなければ何度でもやり直して、きれいな音が出るまで繰り返し練習しましょう。
③きれいな音が出たときの口の形を意識しながら
この訓練は、資料を口に出して読めば終わりではありません。
あくまでも最終目的は、口の形を体に叩き込むことです。
なので、どこの筋肉(表情筋)がどのように動いて、どのくらいの力が入っているのかなどを確認しながら、一番きれいな音が出るときの筋肉(表情筋)の動きを意識的に動かせるようにしましょう。
④口はできるだけ大きく開く
しつこいようですが、この訓練の目的は早くしゃべることではありません。
口の形を体に叩き込んで、覚えさせること。
なので、大げさでいいので、口の周りの筋肉をほぐすような意識で、はっきりと大きく口を動かして形を作るようにしましょう。
⑤録音してみる
これは、滑舌の基本練習に限らず、今後セリフの練習のときなどにも共通することですが、自分のセリフや演技を客観的に見ようと思うと、録音(演技の場合は録画)してみることです。
自分ではきれいな音が発音できたと思っていても、あとで録音したものを聴いてみると、全然うまくいっていなかったということが多々あります。
反対に、自分ではちょっと違和感があったなと気になっていたところが、あとで聴くと全然違和感のない場合もあります。
これは自分自身の体感というか、内で感じる感覚と、実際に外に出ているものとのギャップ(ズレ)を知ることもできます。
そして、自分では意識していなかった自分の得意なところと苦手なところに気づくことができます。
なので、たまには録音してあとで聴いてみるようにしましょう。
まとめ
滑舌というのは、いかに1音1音をはっきりときれいに発音するかということです。
滑舌をよくしようと早口言葉などを練習する人が多いですが、早口言葉で発音がよくなるわけではありません。
野球でもなんでもそうですが、素早くバットを振る練習ばっかりしていても、基本のフォームがしっかりしていないと、なかなか思うように打率は上がりません。
だからこそ野球選手は、投げることに関しても打つことに関しても、フォームを大事にしますよね?
それと同じで、滑舌をよくするならまずは1音1音の口の形をしっかりと叩き込みましょう。
口(自分の身体)に基本のフォームが出来上がっていれば、あとは応用力だけになってきます。
まずは、1音1音しっかりと粒だてて発音できるようにしましょう。
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