よく「俳優として自分でできるトレーニング方法はありますか?」というような相談や質問をいただくのでご紹介したいと思います。
ただ、言葉のやり取りや心のやりとりは相手があってのことなので、自分1人のときは本当の基礎的な部分に重きを置いてトレーニングした方が良いと思います。
基礎的な部分?
そうですね。たとえば体の動かし方や台本の読み方といった演技の土台となる部分です。
今回の記事では、そうした基礎的な部分の強化に重きを置いて自分1人でも自宅で簡単にできる「俳優としてのスキルを磨くトレーニング方法」をお伝えします。
■俳優が自宅で一人でできるトレーニングの種類
自宅で1人でできる俳優トレーニング
- ストレッチ・柔軟
- 筋トレ
- 滑舌
- 脚本(本)を読む
- 映画やドラマを観る
- 舞台を観る
- 英語
もっと言えば、日常生活の中での人間観察だって十分に俳優としての勉強にもなりますし、トレーニングにもなります。
俳優としての訓練というと「セリフの言い回しの練習」などテクニック面に目を向ける人が多いですが、一番基礎的な部分の訓練をおろそかにしている人が意外にも多いです。
たとえばダンスや日舞などを習う俳優は多いですが決してダンサーや踊り手を目指しているわけではないですよね。
では何を目的にしているかというと「自分の体を思い通りに動かす感覚を得るため」の訓練であり、「指先まで意識して自由に動かせるようになること」が本来の目的です。
指先まで意識を行きわたらせて思い通りに動かすことができるようになるのは、体全体を使って表現する俳優にとってはものすごく大事な部分です。
でも、そういう部分の訓練は一切していないという人も多いです。
毎日念入りにストレッチをするだけでも自分の体を知ることができますし、意識的に体を動かす感覚も得ることができます。
ただこういった基礎的な訓練というのが一番地味で面白くはないので続かない人が多いですが、少しずつでいいので毎日継続する習慣をつけていきましょう。
・ストレッチ・柔軟
上述した通り、自分の体がどのように動いているかを意識しながら念入りにストレッチをするだけでも自分の体を知ることができます。
また、怪我をしにくい体を作る為にも効果的ですし俳優にとっては得をすることしかありません。
どんな仕事でも同じですが、俳優にとっても間違いなく「体が資本」です。
テレビを見ながらでもできますし、「ながら」でいいので特に気合はいりません。
「やる気」さえあれば、誰でも今日から始められる簡単な事なので、是非、生活の中に取り入れていきましょう。
・筋トレ
俳優というのは意外と肉体労働です。
美しい姿勢を保つにも筋肉が必要です。
体力がないと集中力や精神力も持続しないので、演技が上手くても長時間の撮影や、体力を使う舞台などで100%の力を発揮できないこともあり得ます。
そして、ケガをしにくい健康な体を保つためや若々しいスタイルを維持するためにも、これも俳優にとって欠かせないトレーニングです。
もちろんボディビルダーになるわけではないのでハードな筋トレでなくていいですが、腹筋や背筋、腕立て、スクワットなど基礎的なものだけでも今の自分の体力に合わせて、少しずつ始めましょう。
・滑舌
滑舌練習は、俳優としての基本トレーニングの1つです。
セリフを聞き取りやすいように話す上で滑舌はもっとも大事なことなので、日頃から、口の動き、表情筋の動き、そして舌の動きを鍛えておかなければいけません。
簡単な基本トレーニングを続けるだけでも十分に効果が得られます。
たとえば、口の形と動きを身につけるための基本練習や、有名な北原白秋の「五十音」※あめんぼの歌、または、滑舌の練習資料としてよく使われる外郎売り(ういろううり)というものがあります。
それを練習してみるだけでも、舌の動きの訓練、表情筋を動かす訓練になります。
大きな声を張り上げなくても自宅で簡単にできるので、是非、今日からあなたの俳優トレーニングに取り入れていきましょう。
・脚本を読む(読解力)
俳優を目指す人はこの「本を読む」「映画を観る」「舞台を観る」は絶対やるべき重要項目です。
脚本だけに限らず小説など本を読むことは、俳優としてとても大事です。
文章として書かれた物語を読むことで「想像力を養う」「感受性を養う」「読解力を養う」ことにつながります。
俳優の仕事は台本を読むことからすべてが始まります。
演技の一番の土台となる重要項目なので必ずやることをおすすめします。
読むときのポイントは、できる限り鮮明に、具体的に背景や情景、人物像などを思い浮かべながら読むことです。
自宅だけでなく移動の際にも本を読むことはできるので、是非実践していきましょう。
「本を読む」「映画を観る」「舞台を観る」ことの重要性は、以下の記事に詳しく書いています。
・映画やドラマを観る
驚くのは、俳優を目指す人の中で「本を読まない」「ドラマも映画もあんまり観ない」「舞台を観に行かない」という人が結構いることです。
もちろん、本、TVドラマ、映画、舞台、これらをたくさん観たからと言って全員演技が上手くなるわけではないですし、勉強になる作品や俳優ばかりではないかもしれません。
でも、たとえ面白くない作品やクオリティの低い作品を観たとしても、この業界を知るという点においては全てが参考になります。
これから俳優になるのであれば、勉強のためにもたくさんの映画やドラマを観て、すでにそこで活躍している一流の俳優の演技を分析してみましょう。
TVドラマなどは、リアルタイムでなくても簡単に録画して観ることもできます。
「最低でも週に1本」など自分ルールを決めて、俳優としてのスキルアップに努めましょう。
・自宅で舞台観劇
舞台観劇は時間とお金が結構かかるので頻繁には観に行くのは厳しいと思います。
でも今は舞台のオンライン配信も当たり前になってきており、【観劇三昧】
無料配信されている作品もたくさんありますし、月額950円のスタンダードプランだと1600以上もの全作品が好きなだけ観放題です。
劇場に足を運ぶことを考えれば、舞台を1回観に行く分の交通費と同等の利用料だけで舞台が観放題という、俳優を志す者としては非常にありがたいサービスです。
・国際派俳優を目指すなら英語必須!
これは俳優全員に必要なトレーニングではないですが、いずれ本気でハリウッドなど海外進出を考えている人は、英語の勉強を始めておきましょう。
少しでも海外での俳優活動にも興味があるのであれば、今から勉強しておいて損することは100%ありません。
今はインターネットの普及により自主映画でも日米合作のような作品がある時代です。
効率的な学習方法として、テキストや本などでの勉強と合わせて吹き替えなしの洋画を観てネイティブな発音などを学ぶとより参考になります。
今は本当に便利な時代で、Youtubeや無料のツールなどでも十分に英語の勉強ができます。
役に立ったYoutubeチャンネルや無料のツールなどもご紹介していますので、楽しみながら勉強しましょう。
■まとめ
大きな声を出しても支障がない場合などは発声練習や歌唱のトレーニングなどもありますし、少し激し目に動いても大丈夫なスペースがあれば、殺陣やダンスなどもトレーニングできるので、居住環境が許す範囲でいろいろと取り入れてくださいね。
私は一人暮らしで大きな声や激しく動くのはNGなので、基本のトレーニングだけでもやりたいと思います。
いいですね。できる事から少しずつ????
今回紹介した中でも特に、「本(物語)を読む」「映画を観る」「舞台を観る」は簡単にできるうえにこの上なく勉強になるので、俳優を目指すのであれば必ずやった方がいいと思います。