俳優を職業にすると決めたあなたに、最低限、最初に知っておくべき7つのことをお伝えします。
何事も最初の心構えや準備というのが大事なので、1度だけ最後まで目を通してみてください。
■俳優を目指す前に知っておくべき7つのこと
プロの俳優を目指す前に絶対に知っておくべき大事なことは、以下の7つになります。
- 誰もが俳優を職業にできるわけではない
- 俳優に求められるのは演技力だけではない
- 始め方はそれほど大事ではない
- 「目指す」ということの意味を理解しておく
- 職業にする以上は「仕事脳」が必要
- 自分を商品として客観的に見る目が必要
- 仕事はすべて「与える」ことから始まる
以上になりますが、この7つのことを理解してから俳優を目指し始めるだけでも大きな差になるほど大事なことです。
簡単に項目順に説明します。
①誰もが俳優を職業にできるわけではない
これは理解している人が多いと思いますが、俳優を職業にするというのは簡単なことではなく、目指したからといって誰もが実現できることではありません。
むしろ、ほとんどの人は実現しないまま辞めていくか、趣味として活動を続けていくかの2通りになるケースが多いです。
だからといって難しく考えすぎる必要はありませんが、それを理解して覚悟を持って目指すのと、なんとなく進むのでは全然違ってきます。
②俳優に求められるのは演技力だけではない
「演技がうまくなりたい」と考えるのは俳優を目指す人なら当然のことですが、演技がうまいだけでは売れないということも知っておきましょう。
もちろん、演技力は俳優にとって一番重要と言えるほど大事な事ではありますが、それでも1人の俳優の魅力の中の1つの要素にすぎないということも事実です。
わかりやすい例としては、どれだけ演技がうまくても不祥事を起こすような人間性では職業にできませんし、自分本位でスタッフなどに嫌われるような性格では必要とされませんよね。
人として、また仕事として当然の気配りや心配りができない人は職業にするのは難しいかもしれません。
なので、演技力を磨くのも大事ですが、自分の人間性を高める努力も大事にしていきたいですね。
③始め方はそれほど大事ではない
今から俳優を目指そうという段階では、「何から始めればいいのか?」「何をすればいいのか?」と悩む人も多いと思います。
実際に僕自身も俳優活動を始めたときは右も左もわからず、そこで一番迷いました。
始め方には5つあって俳優活動を始める5つの方法とゼロからの始め方という記事でご紹介しているのでそちらで確認してほしいと思いますが、ただ、最初に知っておきたいことは始め方はそれほど大事ではない、ということです。
なぜなら、どの方法から始めても職業にできている俳優が実際にいますし、反対にどの方法から始めても実現せずに辞めていく人の方が圧倒的に多い、という事実も変わりません。
「できるだけ確実な道」「できるだけ近道」を探したくなるのは、人間誰でも当たり前なのかもしれませんが、誰にでも当てはまる確実な道や近道はありません。
自分にとっての近道は、自分が目指す俳優像を具体的に、そして明確にし、そこに直結するであろう道を進むのが一番の近道です。つまり、目指す場所を具体的にすることが一番大事です。
右も左もわからないならまずは俳優養成所などに通いながら俳優としての基礎知識や基礎技術を学びつつ、自分の進みたい道を探すのも最初の手としてはありだと思います。
④「目指す」ということの意味を理解しておく
「目指す」とは、ちゃんと目的地に向かって段階を踏んで階段をのぼっていくことです。
どこに行くのかも決めずにただ歩き回っているだけの状態は、さまよっているだけの迷走状態です。
俳優を目指す人の多くが「俳優になりたい」という漠然とした夢だけしか持っていない人が多く、具体的に何かを目指しているという実感を持てていない人も多いです。
たとえば、何かの舞台に出演するとします。
それに出ることによって、または「そこでどのような結果を出せば、何に繋がるのか」ということをちゃんとわかって選択している人が少ないということですね。
自分が選択する行動を意味のあるものにするためにも、まず目的(目的地)を明確にし、見失わないことが大事です。
目指している場所に行くための選択をし、目指している場所に行くための努力を日々積み重ねていくことが唯一の近道であり、確実な道であると知っておきましょう。
⑤職業にするなら「仕事脳」が必要
俳優を職業にするうえで意識しておきたいのは、仕事脳です。
仕事脳とは何か?というと、俳優活動を仕事として捉える脳。考え方です。
仕事脳で考えると、難しく感じることも実は簡単なことだと気づくことがあります。
たとえば、世の中の仕事の原理はすべて2つの要素から成り立っています。
- 良い商品(サービス)を
- 提供(販売)する
どんな仕事もこの2つの要素だけですよね。俳優もまったく同じです。
①良い商品(あなたという俳優)を、②提供(販売)する
あなたが考えることは、これだけです。
芸能事務所に所属すると②の販売するという部分は事務所がバックアップしてくれますが、基本的な構造は何一つ変わりません。
良い商品を作って(あるいは借りて)売る。それだけです。
逆に言うなら、良い商品(俳優)があっても販売力がなければ売れないし、販売力があっても商品が良くなければ売れない、というシンプルな構造も見えてきますよね。
このようにして、仕事としての現実的な考え方も大事になってくるので理解しておきましょう。
⑥自分を商品として客観的に見る目が必要
俳優は自分を客観的に見る目が必要になります。
俳優の仕事は観せる(魅せる)ことなので、普通以上に客観的な目が必要です。
最初は自分のことがよくわからなくても、ちゃんと自分を客観的に見ようとする心構えと意識が大事です。
上記でお伝えした仕事脳にも通じることですが、人におすすめする商品のことをよく知っておくというのはどんな仕事でも当たり前であり、大事なことですよね。
たとえば飲食店でウエイターから、味も知らない、おすすめポイントもよくわかってない、そんなメニューをすすめられて食べてみたいと思うでしょうか?
なかなか興味は湧かないですよね。
俳優も同じで、オーディションに行って自分という商品(俳優)を売り込む段階で、その商品の良さや強み、おすすめのポイントがわかっていないものを自信を持っておすすめするのは難しいものです。
また、客観的に見る目を持っていないと改善点にも気づけないので、少しずつでも自分を客観的に見て、長所や短所を知るように心がけることをおすすめします。
⑦仕事はすべて「与える」ことから始まる
どうしても最初のうちは「新人だから…」「始めたばっかりだから…」と自分で思ってしまうのはしょうがないことですが、相手からしてみれば関係のない話です。
オーディションに行ってプロの俳優をキャスティングする段階で「新人なのでまだ何もできません」と言ったらどうなるでしょうか?
「じゃあ、まず勉強してから来てね」となってしまう確率が高いでしょう。
なぜなら、世の中の仕事はすべて「与える」ことで成り立っています。
上記でもお伝えしたように①良い商品(あるいはサービス)を②提供する。
それに対して、料金を支払ってもらえるというシステムは世の中の経済活動すべてにおいて当てはまることだからです。
使う側にとって何のメリットもない商品に料金を支払おうと思う人は誰もいないということを覚えておきましょう。
それを理解して、常に自分は俳優として何が提供できるだろう?と考える癖をつけることをおすすめします。
具体的に言えば、オーディションに行ったときに自己PRで自分の強みとして何を語れるかと考えてみるとわかりやすいと思います。
「自分から提供するのが先」という意識を持つだけで、オーディションの合格率だって大きく変わりますよ。
ちなみにこちらの動画がとてもわかりやすく、胸を打たれたのでよければ観てみてください。
■まとめ
芸能界は華やかな世界であり、華やかな仕事である事は間違いありませんが、それは表面的な一面です。
俳優は、1つ1つの作品を作り上げる工程や自分自身のスキルアップ(価値向上)に努める段階では、人知れず黙々と地道な作業の連続です。
これは、どのような仕事でも同じですよね。
なので、そうした地道な作業や日々の努力を怠ることはできませんし、それこそが俳優としての仕事の一環だということだけは最初に理解しておきましょう。