俳優を目指すうえで絶対に避けて通れないのが自己PRです。
この先、あなたにも頻繁に自己PRの機会が訪れますが、準備はできていますか?
他のどんな職業に比べても、俳優は最も自己PRの機会が多い職業だと言えます。
何故なら、俳優は自分自身が「商品」だからです。
何のオーディションを受けても、ほとんどの場合が自己PRは求められます。
それゆえに、まずは「自己PRのスペシャリスト」になれるくらいに、自己PRには力を注ぎましょう!
今回の記事では、オーディションに受かるための自己PRの準備の仕方を解説します。
急に自己PRする機会が訪れた際にもあたふたしないように、少なくとも2、3パターンくらいは常にいつでも話せるように準備しておくことを推奨します。
俳優にとっての自己PRとは?
まず、俳優としての自己PRを作る際の考え方として、頭を仕事モードに切り替えて考えましょう。
仕事モードと言っても、難しく考えようという意味ではありません。
むしろ、自己PRは簡単でユーモアな方が良いと個人的には思っています。
では、仕事モードとはどういうことか?
「プレゼン」という言葉は聞いたことがあるかと思いますが、簡単に言えば新しい商品や企画などを提案したり紹介したりすることですね。
仕事モードとは、そのように自分のことを「商品」として考えてみましょうという事です。
もしもあなたが新しい商品を、自信を持って紹介するなら、どんな事を話すでしょうか?
それを考えるのが、俳優で言うところの「自己PR」です。
その部分を考えることによって、自分(商品)を知ってもらい、興味を持ってもらう為の自己PRというのが出来上がります。
絶対に忘れてはいけないのは、自己PRには「興味を持ってもらう」という大きな目的が存在しているということです。
俳優にとっては、その目的を果たすための自己PRでなくては意味がないということですね。
自己PRは自己紹介ではない
俳優にとっての自己PRは、ただの「自己紹介」ではなく「商品のプレゼンテーション」だと考えて、全体を構成しましょう。
その為には、上述した通り、商品や企画を売り込む際に、何を話すか?ということから考えてみるとわかりやすくなります。
「名前」「所属事務所名」「出身地」「年齢」などを、商品的に置き換えて考えると、
「名前」=「商品名」
「所属事務所名」=「製造会社名、または販売会社名」
「出身地」=「原産地」
「年齢」=「製造されてからの年数」
このように置き換えることができます。
こうして置き換えてみるとわかると思いますが、この情報だけではその商品に興味を持つポイントはあまりないですよね?
でも、オーディション会場では意外と多いんです。
「〇〇(事務所名)から来ました、〇〇(氏名)と申します。年齢は〇〇です。〇〇出身の〇歳です。よろしくお願いします。」
みたいな人。(※自己紹介をお願いしますと言われた場合はこれでもいいかもしれません)
正直言って、こういう人はほぼ間違いなく「興味を持ってもらおう」という目的を持って自己PRを考えてはきていないと思います。
普段、買い物をする時や何かのサービスを利用するときなど、どんなポイントに興味を持ったり、どんな基準が利用する決め手になるでしょうか?
そこを自分なりに考えて、興味を惹かれるポイントを盛り込んだ自己PRを考えましょう。
何度も言いますが、自己PRとは、「自己紹介」ではありません。
簡単な言葉でまとめてしまうと、PRとは、広報活動または宣伝活動という意味です。
例えば、
「その商品のPRをお願いします」と言われてiPhoneのPRをするとします。
この商品の名前は、iPhone8です。〇年にアメリカで製造されました。よろしくお願い致します。
と紹介しても、それだけでは「良さ」は何も伝わりません。
少なくとも「どんな特徴があって、どんな使い方が便利で、どんな利点があるのか?」など、その商品の強みや、使うことによるメリットなどを伝えるべきではないでしょうか?
自分の長所と短所を理解しておく
PRをする上で大事なことは、その商品の「強み・弱み」を理解しておくということです。
こちらは過去最大の画素数を実現させたことにより、画像の美しさでは業界一を誇りますが、その分の消費エネルギーが大きい為、電池の持ち時間が他の機種と比べると少しだけ短いという特徴もあります。
例えば、このようにわかりやすい説明をしてもらえることで初めて、使う側の人も想像ができるわけですね。
そして、「強み・弱み」を理解していないと、このような説明すらできません。
つまり、オーディションでの自己PRもただの説明ではなく、自分が俳優として「どんな強みや魅力があるのか?」という事を、わかりやすく伝える必要があるという事です。
うまくまとめるより印象に残す自己PR
オーディションでは自分の魅力をわかりやすく伝える必要があると言いましたが、それは上手く話すということではありません。
上手く話した方が聞きやすいかもしれませんが、それよりも意識しておきたい事は、話を上手くまとめるより「印象に残る」ように伝えるということです。
もちろん、一つ一つのオーディションで全て結果に繋げたいのが本音ですが、全ての役が自分の印象にピタッとハマるかどうかは、わかりません。
ただ、その時の結果には繋がらなくても、記憶として印象に残すことはできます。
実際、受けたオーディションでは通らなかったのに、後日、別の作品や別の役で「どうですか?」と連絡を頂けることがあります。
こうした連絡を頂けるという事は、その時のオーディションで求めていた役の印象とは違ったけど、ちゃんと自分らしい印象を残してきたという証ですよね。
最低限、それは狙っていきたいところですので、自己PRでは「印象に残す」「バッチリ覚えてもらう」という事を最大の目的に考えてみると、ただの自己紹介にはならないはずです。
ちなみに、自分がどんな人間か?どんな俳優か?自分ではよくわからないという人は、「俳優としての現在の自分の立ち位置を知る方法」という記事の中でも紹介していますが、周りの友達や家族などに自分がどんな人に見えているかを聞いてみるのも一つの方法です。
自分が思っているのと違う印象を他人は持っているかもしれませんし、自分では思いもよらない自分の評価を知ることができるかもしれません。
まとめ
オーディションでは様々な状況や条件の中で自己PRを求められることがあります。
例えば、「1分間の自己PRをお願いします」と言われる場合もあれば、「3分間の持ち時間を与えますのでしっかりと自己PRしてください」と言われるようなケースもあります。
どのような条件であったとしても、俳優にとっての自己PRとは「商品(自分)の魅力を伝えるためのプレゼンテーション」です。
最初の「つかみ」から、最後の「締め」まで、審査員を1本のストーリーに引き込むくらいの自己PRをしようと思うと、思いつきや、ぶっつけ本番では難しいです。
なので、どんな時でも堂々としっかり魅力を伝えられる準備として、あらかじめ、30秒パターン、1分パターン、3分・・5分・・と、いくつかの自己PRパターンを準備しておきましょう。
大事なことなので何度も言いますが、オーディション会場に行ってから、出たとこ勝負や行き当たりばったりな考えでは、せっかくのチャンスを逃してしまう可能性が大です。
プロとして、いつでも準備のできた状態でいる俳優と、何の準備もしてきていない俳優の差は明らかです。
せっかく俳優を目指すのであれば、しっかりと自己PRも準備して、意識の高い俳優たちと競える状態でオーディションに臨みましょう!
これから俳優を目指す人にとっては、養成所や芸能事務所などに入る時などにも、自己PRをする機会は出てきます。
今のうちからシュミレーションして、目の前に初めて出会う審査員の人たちが座っていて、向かい合って自分は「どんな自己PRをするんだろう?」とイメージしてみてください。
その時に、最低限、「喜んでもらえそう」「楽しんでもらえそう」「面白がってもらえそう」と、自分自身で思える自己PRを準備することが最も大事なことですので、まずは自分自身で魅力的だと思える自己PRを考えてみましょう!