俳優になるために専門学校は行くべきでしょうか?
これは、ほんとによく受ける質問です。
訪問してくれたあなたも、もしかしたら今、悩んでいるのかもしれませんね。
そんなあなたにお聞きします。
あなたが目指している(これから目指す)俳優像にとって、あなた自身は専門学校は必要だと感じますか?
専門学校卒業という「肩書き」や「実績」が「優位かどうか」は一旦置いておいて、「必要かどうか」をまず考えてみてください。
どうでしょう?必要でしょうか?
もう1つ。
現在、既に活躍している俳優の中に専門学校出身の俳優がどれぐらいいるかは知っていますか?
反対に、専門学校出身でない俳優がどれぐらいいるかは知っていますか?
結論から先に言いますと、とても無責任な言い方になりますが、
俳優を目指す人が専門学校に行くべきかどうかは、
どちらでもいい。あなたの「目指す方向性」や「目的」による。
というのが、結論です。
なぜなら、まず第一に、同じ俳優を目指すと言っても、具体的に目指しているゴール(俳優像)は、人それぞれだからです。
映画に出て活躍したい人、ドラマに出たい人、時代劇がやりたい人、ミュージカルの舞台で活躍したい人、いろんな人がいます。
最終的に目指している場所が違う人たちの通る道が1本だとは限りませんし、正解も1つではありません。
現在、職業として活躍している俳優の中でも、俳優を職業にできるまでの経緯は人それぞれです。
なので、「何が優位か」は全員に共通するものではない。というのが正解です。
それよりも、あなたが目指す俳優像にとって、「何が最善」で「何が必要な事」なのかをまず考えることの方が大事です。
あなたが目指す俳優像にとって、何を選択していけばいいのかを考える方法をみていきましょう。
■専門学校出身の俳優
俳優になるために専門学校に行くべきかどうか悩む前に、専門学校出身の俳優にはどんな人がいるか調べてみましょう。
実際に活躍している俳優や声優の中にも、専門学校出身者はたくさんいます。
ここでは、その中の数名の俳優を紹介しておきます。(※中退含む)
味方隆司/日本工学院専門学校
阿知波悟美/日本工学院専門学校
阿南 敦子/東京アナウンス学院
市村正親/舞台芸術学院
伊藤節生/ヒューマンアカデミー
伊藤万理華/東京アナウンス学院
いわいのふ健/日本工学院専門学校
大倉孝二/舞台芸術学院
大津尋葵/日本芸術専門学校
岡田亮輔/尚美ミュージックカレッジ
岡本悠紀/尚美ミュージックカレッジ
沖野晃司/東京放送芸術&映画・俳優専門学校(旧:東京フィルムセンタースクールオブアート専門学校)
兼崎健太郎/東京アナウンス学院
小原好美/ヒューマンアカデミー
小日向文世/東京ビジュアルアーツ(旧:東京写真専門学校)
原日出子/日本工学院専門学校
ベンガル/舞台芸術学院
毎熊克哉/東京放送芸術&映画・俳優専門学校(旧:東京フィルムセンタースクールオブアート専門学校)
松島勇気/日本芸術専門学校
溝呂木賢/東京スクールオブミュージック&ダンス専門学校
役所広司/舞台芸術学院
山中聡/東京アナウンス学院
吉田メタル/東京アナウンス学院
渡辺えり/舞台芸術学院
■専門学校を決めるための確実な手順
現在進行形で活躍している俳優の中で(一部声優も含む) 専門学校出身の俳優を何名か紹介しましたが、こうして書き出してみると現実的にどのように活躍しているかがわかります。
もちろん、大学出身の俳優や養成所出身の俳優もたくさんいまが、専門学校出身で活躍している俳優もこれだけ数多くいます。
つまり、俳優になるために選択できる道(正解)は1つではないということです。
どの道が、あなたが目指す「俳優象」にとって最善であるかは、これからお伝えする専門学校を決める際の手順を踏んでいくと、あなたにとっての1番の「最善」が見つかります。
①自分が目指す「目的地」を明確にする
どの専門学校に行くか?いや、それ以前に専門学校に行くことが最善なのか?と悩む前に、まず最初にあなたが目指す「目的地」を明確にしましょう。
目的地とは、あなたが目指す「俳優像」です。
主に映画の世界で活躍する俳優になるのか?舞台を主戦場とする舞台俳優になるのか?または、ミュージカル俳優になりたいのか?など、最終的にあなたがどのフィールドで活躍したいのかは決まっていますか?
さらには、俳優として何を得意とする俳優になるのか?たとえば、他の人より殺陣が優れた俳優になるのか?ダンスが得意な俳優になるのか?歌える俳優になるのか?など、詳細な部分まで明確にしていくことで、あなたが進むべき方向性が更にはっきりします。
1)そこまでの距離は?
目的地が明確になったら、次は今の自分の立ち位置(現状)と目的地までの距離がどのぐらいあるのかを考えてみましょう。
たとえば、子役の経験がある人、今現在、学校で演劇部に入っていて演技をしている人、または全くの演技未経験の人、当然いろんな人がいます。
あなたが演技を経験したことがあるのか?全くの未経験なのか?というだけでも、今やるべきことが違ったりしますよね。
小さい頃から人前に立って演技をするとか(ダンスでも歌でも何でもOK)人前に立つことに慣れている人と、人前に立つこと自体がほとんど未経験という人では、緊張の度合いや具合いが違うかもしれません。
そういう場合、まず未経験の人は何よりも、人前に立つことに慣れる、緊張に慣れるということから始めないといけないかもしれませんよね。
今現在学校で演劇部に入っている人などは、毎日発声練習として腹式呼吸で声を出す練習をしている人もいるでしょう。
でも未経験の人は、まず声の出し方から勉強し、毎日少しずつそれができるようにしていかなければいけない人もいるでしょう
このように、これまでの自分の経験やもともとの性格などから、今の現状(立ち位置)と目指す目的地との距離は皆が同じではなく、人それぞれです。
なので、まずは自分自身の現状(立ち位置)を知ることが大事です。
2)そこに行くために「何が必要か?」
もちろん、必要なものは技術だけではありません。
人脈だって自分の認知拡大のためには必要になるかもしれませんよね。
もしかしたら性格改善が必要な人もいるかもしれません。
自分の現状(立ち位置)と目指す目的地(俳優像)の距離が見えてきたら、次に、目的地にたどり着くために何が必要かを考えましょう。
未経験の人であれば、声の出し方(腹式呼吸) など、ゼロから学ばなければならないでしょうし、さらに、映画やドラマだけでなく、舞台公演、ミュージカル、オペラなど、さまざまな作品を観て視野を広め、感性を磨くことも必要かもしれません。
人前に立つことに緊張して自分らしく振る舞えないという人は、まずは様々な方法で緊張に慣れる経験を積まなければならないかもしれません。
このようにして、あなたが目指す俳優像に近づくために、今のあなたの現状と照らし合わせながら何が必要かを考えてみましょう。
3)あなたに必要なものが最速で手に入る学校を選ぶ
専門学校に限らず大学や養成所でも、ココを卒業したから確実に俳優になれるというような道はありません。
たとえば早稲田大学など演劇が盛んな学校で、実際に一線で活躍している俳優が多い場合などは、共通の知人や共通の話題も多く、様々な出会いや繋がりの場は多いかもしれません。
でもそれは、1つのきっかけに過ぎませんので、そこから先はあなたの実力や魅力次第ということは変わりません。
なので、
「俳優になるためにはどこの専門学校に行けばいいでしょうか?」
「どこの養成所が可能性が高いでしょうか?」
といった質問をよく受けますが、まずは今のあなたの現状と目的地までの距離を知り、そこにたどり着くために必要なものは何かを考え、そのあなたにとって必要なものが最速で手に入る場所を選びましょう。
②その専門学校でないといけない理由は?(必要性)
専門学校を選ぶ際には必ず「その専門学校でないといけない理由は何か?」を考えましょう。
あなたが目指す「目的地」。そして現在の立ち位置(現状)。
目的地にたどり着くために必要なものは何か? ここまで段階を踏んで考えてきたあなたには、この学校で自分に必要なものが手に入るのか、この選択が最善なのかがわかるはずです。
もちろん専門学校を選ぶ基準は1つではないでしょう。
目的地にたどり着くために俳優として必要なもの、学費やカリキュラムなどの、条件として必要な条件など、いくつかの確認事項があると思いますが、あなた自身の目的が明確であれば、何が必要で何が不必要かということが判断できるでしょう。
③他の道ではなく、なぜ専門学校なのかを再確認
「その専門学校でないといけない理由は何か?」を考えるのと同時に、「大学や養成所でなく、専門学校でいいのか?」ということも再確認しておきましょう。
大事なことなので何度も言いますが、 専門学校でも大学でも養成所でも、ここに入ったから確実に俳優になれるという保証は一切ありません。
そして現実として、大学出身の俳優もたくさんいますし、専門学校出身の俳優も、養成所出身の俳優もたくさんいます。
さらには、養成所に関して言えば大学や専門学校に通いながら養成所に通っている人もたくさんいます。
なので、「どの道に進めば俳優を職業にできる可能性が上がるか」「どの道に進めば最短コースなのか」という考えは一旦置いておきましょう。
「どの道に進めば、自分が目指す俳優像に近づくための演技力や技術が磨けるのか?」また、「俳優として、内面からの魅力を高める経験が積めるのはどの道か?」と、あなたが目指す俳優像に自分自身を近づけるということに一点集中して考えてみましょう。
■俳優になるためのおすすめの専門学校9選
●東京映画俳優&放送芸術専門学校
主な出身者
毎熊克哉/沖野晃司 など
●東京ビジュアルアーツ
主な出身者
小日向文世/石黒光 など ※映画監督多数
●専門学校東京アナウンス学院
主な出身者
阿南 敦子/兼崎健太郎/山中聡/吉田メタル/伊藤万理華 など
●東京スクールオブミュージック&ダンス専門学校
主な出身者
溝呂木賢/下出裕司 など
●日本工学院専門学校
主な出身者
原日出子/阿知波悟美/いわいのふ健/味方隆司 など
●専門学校舞台芸術学院
主な出身者
役所広司/市村正親/渡辺えり/大倉孝二/ベンガル など ※山田洋次監督も
●尚美ミュージックカレッジ専門学校
主な出身者
岡田亮輔/岡本悠紀 など
●日本芸術専門学校
主な出身者
大津尋葵/佐藤貴広/松島勇気 など
●総合学園ヒューマンアカデミー
主な出身者
小原好美/伊藤節生 など
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■まとめ
実は僕は、上記で紹介した専門学校の1つで講師をしていた経験があります。
その経験上、1つ言っておきたいことは自分の進路は最終的には自分で決めよう!ということ。
なぜなら、はっきりと目的を持って自分の意思で選んで来た人と、誰かの意見に従って(流されて)来た人では、授業やレッスンなどに取り組む積極性が全く違うからです。
もちろん、吸収力も違います。
たしかに俳優を目指す上で、大学がいいのか専門学校がいいのか養成所がいいのか、また、専門学校でもどこの専門学校がいいのかなど、どの道に進むべきかは人生の中での大きな決断なので非常に悩むと思います。
なので、たくさんの人に相談し、いろんな意見を聞いて慎重に選択するべきだとは思います。
ただ、自分の人生の進路を人に委ねきってしまうことには注意しましょう。
相談して多くのアドバイスを受けるのはいいことですが、最後に答えを出すのは自分です。
人のアドバイスや意見はあくまで参考程度に「あ~こういう意見もあるのか」と、客観的に聞きましょう。
美容室に行って、お任せで切ってもらって、思っていたのとちょっと違っていたときと同じで、ちょっと思っていたのと違うことがあったら「これだったら、自分の望み通りに切ってもらえばよかった…」と、必ず後悔します。
服を選ぶときなども同じですね。
店員さんのアドバイスや意見に合わせて服を買ったのはいいけど、あんまり自分のイメージや好みに合わなかったときに「買わなければよかった…」と悔やみます。
どの道に進むかは、もっともっと大きな問題です。
人生の進路を人に任せきって、自分のイメージとかけ離れていたときには、ちょっとした後悔ではすみません。
なので、自分の進路を人に決めてもらおうというスタンスで相談するのはやめましょう。
人の意見を聞いて、その上でどうするかの判断は自分自身で決めましょう。
俳優を職業にするために進む進路は、
- 自分が目指す目的地を明確にする
- 目的地までの距離を明確にする
- 目的地にたどり着くために何が必要かを明確にする
- あなたにとって必要なものが最速で手に入る学校を選ぶ
この4つの段階に沿うように、人から受けたアドバイスや意見を取捨選択しながら自分が進むべき道を自分で決めましょう。
専門学校や大学に行きながらでも、俳優養成所に通っている人だってたくさんいますので、道は1つではありません。
まずは、一通りの資料を取り寄せてみるなり、学校見学させてもらうなり、オープンキャンパス(体験授業)に参加するなどして、自分の目でよく見て、肌で感じてみて、自分に本当に必要なことが学べる学校はどこかを、自分で見極めましょう。
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