「俳優になる」と言っても、同じ俳優でも「映画俳優」や「舞台俳優」と呼ばれるジャンルなど、いくつかの種類があります。
今回はその俳優の種類について、ジャンル別に簡単に解説します。
■俳優の種類
俳優の種類は本当にわかりやすく大きく分けて「映画俳優」「TV俳優」「舞台俳優」と呼ばれる3種類に分ける事ができます。
②TV俳優:主にTVドラマやWEBドラマなどに出演する俳優
③舞台俳優:あまり映像には出演せず舞台を中心に活動する俳優
・映画俳優
昭和の時代などは映画で活躍する一流の俳優を「銀幕のスター」と呼んでいましたが、時代の流れなどもあり、実は現在の日本の俳優業界においては、純粋に映画俳優と分類されるような俳優はほぼいないのが現状です。
そもそも昔の映画俳優というのは映画会社と直接、専属契約を結んで、その映画会社が制作していない作品への出演はNGなど、明確に活動範囲が制限されていた時代があったんです。
なので本当に、映画でしか見れないスター俳優さんも多く存在していたんですね。
そうした時代の流れなどもあり、現在では映画だけしかやらないという俳優さんは少ないですね。
「銀幕のスター」と呼ばれていた時代は、もちろん俳優になるのも難しかったと思いますが、映画監督やカメラマン、編集などの技術職も今よりもっと難しく、専門家しかできませんでした。
でもインターネットの普及によりデジタル化が進んだ現代では、その気になれば誰もが映画を創ることができる時代になりました。(もちろんプロの技術には及びませんが)
昔の映画監督などはまずは誰か監督の下で助監督としてつき、現場で怒られながら勉強し経験を積んで自らが監督になっていくという過程が普通でしたが、現在ではそのような構図すらなくなりつつあるそうです。
映画製作などの技術を専門的に学ぶ大学などで卒業制作に作った映画が、驚くくらいに評価されてそのまま商業的な監督デビューをするような監督もいる時代です。
そして、それに準ずる俳優もそのまま一気に売れてしまうというケースもあります。
要するに大学生がそのまま監督や俳優として社会に出ていくという構図ですね。
こういったことも現代では、珍しくない話です。
大学生ではないですが「カメラを止めるな!」なども社会的な話題になったので記憶に新しいと思います。
これは昔の時代では考えられない事ですよね。
インターネットの普及とともに高性能の編集ソフトなどが一般的に手に入る時代になり、しっかりと勉強と経験を積めば個人でも映画を制作する事ができるようになったおかげで、自主映画なども非常に増えました。
そしてそれに伴って映画祭なども増えていますので、俳優としては本当にチャンスも星の数ほど増えているんですよね。
自分でインターネットを使ってオーディション情報を探す事もできますし、自主映画でも魅力的なものには積極的に参加していけば出演する機会も自ら作ることができます。
なので、主に映画業界で活躍する俳優になるという人はどんどん積極的にアクションを起こしアプローチをかけていくべきですね。
・TV俳優
TV俳優は、テレビドラマなどを中心に活動しているような俳優のことです。
現代ではWEBドラマのシェアも広がっていますので、それらも含め、ですね。
ただ、日本はアメリカのように契約や分類がハッキリしておらず明確な棲み分けがないので、こちらも現在の日本ではあまりハッキリとTV俳優と呼ばれることはありません。
なので、あくまでも比率として映画や舞台などよりもTVドラマなどが中心の俳優ということになります。
最近ではTV限定というよりもWEBドラマなどのネット動画もどんどん増えてきてますので、俳優の活躍の場は少しずつ増えたり変化したりしています。
TVドラマなどになると自主映画などのようになかなか一般公募されているオーディションは少ないと思いますので、こちらはやはり事務所に所属するかキャスティング会社などの人と接点を持つか、が有効になってきます。
・舞台俳優
舞台俳優。
実は、これが一番幅が広いかもしれません。
主に舞台で活動する俳優はみな舞台俳優という事になりますから、ミュージカル俳優や歌舞伎俳優など端から端まで全てが「舞台俳優」という括りになります。
また、自主運営されている小規模の劇団で活動している、いわばプロの俳優を目指している人たちも全てを含めて「舞台俳優」と呼びますのでその数は非常に多いですね。
舞台俳優を目指す人の傾向として多いのは、好きな劇団があったり、好きな演出家がいたり、好きな俳優さんがいたりと、目指すきっかけがハッキリしている人が多いように思います。
ただ、そうではなくて実は映画やTVドラマなど映像の仕事がしたいのに、仕事やオーディションの機会が少ないので勉強の為や、活動の場所を求めて舞台をやっているという俳優も結構います。
「舞台俳優」を目指すのであれば、「どんな舞台に立ちたいのか?」「どんな作品に出たいのか?」そして「どんな俳優になりたいのか?」といった事をより具体的に定めておきましょう。
■まとめ|進むべきジャンルの決め方
これから俳優になりたいと考えている人で、具体的にどんな俳優になりたいのか、どのジャンルを主な活動の場にしたいのか、などがあまり明確でないのであればまずは幅広く観ることをおすすめします。
映画に興味があるのなら映画をたくさん観る。TVドラマやWEBドラマなどに興味があるのであればそれを観る。舞台に興味があるのであれば知り合いが出ていなくても(むしろ知り合いなどが出ていないものこそ)観に行く。
とにかく興味のあるものも、ないものも、たくさん観る。これは大事です。
実は「映画で活躍する俳優になりたい」と言う人が、ほとんど最近は映画を観てません。とか、「舞台俳優になりたい」という人が小劇場は観に行くけど、大劇場でやっているような舞台はほとんど観てません。というような人もいるのが現状なんです。
「世の中にはどんな作品があるのか」
「どんな作品にお客さんが興味を持っているのか」
「何が面白いと思うのか」
「何に魅力を感じるのか」
「どんな事に感動して心打たれるのか」
「どんな作品に出てみたいと思うのか」
「どんなセリフを言ってみたいと思うのか」
などなど、自分の気持ちや興味・関心がハッキリしてきます。
また、たくさんの作品を観ることで視野も広くなります。
万が一、映画館に足を運ぶ時間が作れないのであれば、レンタルでも観ることができますし、今の時代はHuluやU-NEXT
俳優にとって勉強材料にかけるお金としては非常に低料金だと思うので、観に行く時間がないのであればそういった方法でもいいので観て勉強しましょう。
TVドラマやWEBドラマなどは録画して撮り溜めたものを観てもいいですし、ドラマなども上記の動画配信サービスで同じプラン内で観放題だったりしますので、その気になれば俳優としての勉強法なんていくらでもあります。
舞台に関しても、例え劇場まで足を運ぶ時間がなくても、実は舞台も自宅で好きな時間に好きなだけ観ることが可能です。
こちらは【観劇三昧】
これだったら、劇場に足を運ぶ時間はなくても、空いた時間でいくらでも舞台を観劇することが可能です。
ジャンルに関わらず、より多くの作品を観ることも俳優にとって必要な勉強なので、無理をしない範囲内で是非実践していきましょう。
今まであまり観てこなかったジャンルの作品などを観てみると、舞台がやりたいと思っていたのに「実は映画の方がもっと心惹かれた」という事もあるかもしれません(笑)
業界を幅広く知る為にも、自分を深く知る為にも、ジャンルにとらわれず様々な作品を観てみることをおすすめします。
そして、自分が目指したい場所、なりたい俳優像を明確にして、迷いなく突き進んでいきましょう。
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