セルフプロデュースという言葉は聞いたことがあるかもしれませんが、俳優を仕事にしていく上ではとても大事なことなので解説していきます。
セルフプロデュースとは「理想の俳優像」に自分を仕上げていく事です。
■セルフプロデュースまでの準備と順序
セルフプロデュースと言っても「完成形」のイメージが明確でないと計画すら立てられません。
まずは何よりも、目指す「俳優像」を明確にします。
アイドル路線で売り出すのとロックバンドとして売り出すのでは全く活動の仕方や売り込み方が違うように、俳優でもどんなジャンルのどんな俳優になるのか、最終的に理想とする「俳優像」がハッキリしていないと迷走することになってしまいます。
「とにかく俳優になりたい」「映画に出たい」「CMに出たい」など漠然とした願望ではなく、具体的な「理想の俳優像」をイメージする事から始めましょう。
今のところ漠然としたイメージしかないかも…
・理想の俳優像に近づく為に必要なものを分析
「理想の俳優像」が明確になれば、今の自分に「必要なもの(事)」「足りていないもの」も明確になります。
その「必要なもの」や「足りていないもの」を1つ1つ手に入れていく事で、確実にあなたが目指す「理想の俳優像」に1歩ずつ近づきます。
でも反対に「必要なもの」や「足りないもの」を埋めることをしないで、ただ一生懸命にやっているだけでは「理想の俳優像」にはいつまでたっても近づきません。
なので、あなたが目指す「理想の俳優」になるために「何が必要」で「何が足りない」のかをしっかり把握しておきましょう。
今、自分が何をするべきかを知り、すぐ動く
自分が目指す「俳優像」に近づくために「必要なもの」「足りないもの」を把握したら、すぐに行動を起こしましょう。
これから先のあなたがする事はその「必要なもの」「足りないもの」を埋める事。
ただ、それだけです。
たったそれだけのことなので「すぐに行動を起こせるかどうか?」が、人より1歩抜け出すための大きな差になります。
頭ではわかっているのに「やっていない」「実践していない」という人が非常に多いです。
たとえば、俳優にとって体が柔らかい方がいいのはほとんどの人がわかっています。
怪我をしにくいし立ち姿や様々なポーズも綺麗になりますし、パフォーマンスのクオリティが上がります。
いろんな観点から見て俳優にとって「体は柔軟なことに越したことはない」わけです。
俳優を目指している人のほとんどが、それはわかっていると思います。
普通に健康面でもいいよね。
でも、毎日、日常的にストレッチをやっているという人は実際にはどのくらいいるでしょうか?
きっと、半数にも達していないと思います。
頭では「やっておいた方がいい」とはわかっていても、です。
ここで大きな差が生まれます。
「必要だと思ったことは、すぐに行動に移す人」
「必要だと頭でわかっていても、行動しない人」
俳優を目指す人にとって「必要なことを行動に移せない人」は致命的です。
万が一、「頭でわかっていてもすぐに行動に移せない」という人は、技術面など表面的なことよりも、まずはそうした「意識」や「思考」といった内面的な問題を改善する事から始めましょう。
・今から俳優を目指す人も、今すぐやれることはいくらでもある
今すぐにでも取り掛かれる事は「ストレッチ」だけではありません。
一線で活躍する俳優になったあなたはどんな服を着ているのか?
そして今の自分の服装はそのイメージ通りか?
着たい服やイメージはあるけど、今の服装は全然違う…
もしも今の服装があなたが目指そうとしてしている理想の俳優像と違うのであれば、まずは未来のイメージに合った服を着てみることです。
まずは見た目だけでも理想の俳優像に近づけてみましょう。
もちろん金銭的事情などで着たい服を自由に着ることも難しい状況の人もいると思います。
服も結構お金かかるからな~
そういう場合は、古着屋さんを探せばブランドものでも安く購入できる場合があるのでそういった方法を試してみるのもおすすめです。
それすらも厳しい状況であれば、買わなくても「見に行くことはできる」はずです。
一流の俳優になった自分が着ていそうな服を実際に手に取ってみるだけで、イメージがさらに明確になるでしょう。
髪型なども同じで、多くの人に認知される俳優となったあなたがどんな髪型をしているのかをイメージしたならすぐにでも近づけましょう。
今の自分にできることから1つずつでも近づいていきましょう。
そうした行動が習慣になれば、理想の俳優像に近づくスピードが速くなり目的を叶えるのも早くなると思いませんか?
たしかに実行に移すって大事ですよね!
英語が必要なら英語を習い、殺陣ができる俳優になるのであれば道場に通い、何事も「理想の俳優像」に向かって確実に近づいていける行動を1つずつでも起こしていくようにしましょう。
■自分が自分のプロデューサー
何もしないで待っていれば、誰かが勝手にあなたを魅力的にしてくれるわけでもなく商品価値を高めてくれるわけでもありません。
自分自身を魅力的に磨き上げるのは、最終的には全て自分自身です。
- どこを目指すのか?
- 今の自分はどのくらい目指すべき姿と離れているのか?
- 目指すべく俳優像になる為に何をする必要があるか?
- 今の自分に足りていないものは何なのか?
- 一つ一つを「いつまでに」クリアするのか?
- 理想の俳優像にどういう段取りで到達するのか?
しっかりと計画を練り、自分をプロデュースしていきましょう。
達成するためのコツは、あなたが思い描く「理想の俳優像」に近づくために何をする必要があるのか、改善する点は何なのかといった事を一度ノートに書き出してみる事をおすすめします。
いわゆるチェックシートの作成です。
たとえば、
- 着る服の雰囲気を変える
- 髪型を変える
- 日本舞踊を習う
- 言葉使いを変える
- 定期的に健康診断を受けるようにする
- 定期的にワークショップを受ける
- 月に一回は何かしらのオーディションを受ける
- 毎日、ジョギングと筋トレをする
- 毎日、滑舌の練習をする
- 勉強の為に月に3本は舞台や映画を観る
など、必要だと思う事を全て書き出してみて実践できたことをチェックしていくようにすると自分の進歩や進化の度合いもわかりやすくなります。
何か楽しそう!1つクリアしていく度に「理想の俳優像」に1歩近づいてるって事ですもんね!
そうですね。
そしてもう1つおすすめしている事が、1つ1つの項目に対して期間や期限を設けてみる事です。
たとえば、いついつまでに美容室に行く、とか、日本舞踊を習い始めて〇年後には試験を受ける、とか、〇月〇日までに健康診断を受ける、とか、必要なことを「いつまでにやるのか」まで決めると「今やる事」が明確になり達成できる確率はぐんと上がります。
■まとめ
セルフプロデュースという言葉だけを聞けば何か難しいことのようですが、実はやる事は至ってシンプルです。
常に「理想の俳優像」に近づくことだけを考え行動していくということです。
自分の中で「理想の俳優像」さえ明確になっていれば、その基準は難しくありません。
そこを目指すだけです。
いろいろ迷うのってゴールがハッキリ見えてなかったからかも…
ここで書いたことはそんなに真新しい事や難しい事ではないですし、むしろ当たり前の簡単なことばかりです。
でも、その簡単なことを実践している人が少ないのが実際のところです。
俳優は自分が「プレーヤー」「選手」であると同時に、自分自身が「プロデューサー」「トレーナー」でもあるという意識を持ち、どれだけ理想の俳優像に近づけていけるかが重要なので、常に客観的に自分を捉えてプロデュースしていきましょう。