あなたは、どんな俳優ですか?
あなたの特徴や魅力、そして他の俳優と違うところはどんなところですか?
あなたはオーディションで上記のように質問されたらどう答えるでしょうか?
まだこれから俳優を目指す段階であれば今はまだ答えられないかもしれませんが、既に俳優として活動している人であれば、こういった質問に対する自分なりの答えはしっかり持っておきたいところです。
大事なことだけど、難しい質問だ…
オーディション会場で「えぇ~っと…、う~~んっと…」というわけにはいきませんよね。
これは俳優に限ったことではなく、どんな仕事、商品にも共通して言えることです。
この商品はどんな特徴がありますか?と聞いて、「えぇ~っと…、う~~んっと…」という答えが返ってきたら不安しか残りません。
たしかに????
やはりどのような商売でも、その商品にしかない魅力に人は関心を持ちます。
俳優で言うところの個性やキャラクター、または空気感などですね。
「俳優の○○さんっぽい(あなた)」とか、「俳優の○○さんみたい(あなた)」などと言われるようになったら、しっかりと自分独自の存在感や個性を印象づけられている証です。
そのように自分をブランド化することをセルフブランディングと言います。
この記事では、 俳優としての存在感を確立するためのセルフブランディングの準備編として解説します。
■俳優にとってセルフブランディングは必須
セルフブランディングという言葉は聞いた事があるでしょうか。
セルフブランディング(せるふぶらんでぃんぐ、SelfBranding)とは、企業や組織に所属しない「個人」が、自らをメディア化し、自らの力でプロモーションすること。
引用 Wikipedia
簡単に言うと、その名の通り「自分を」「ブランド化する」という意味です。
一流の俳優になるなら圧倒的な「オリジナリティ」と自分自身の「ブランド力」が必須になります。
事務所によっては「どういった個性を売りにするのか」「 どんなキャラを押し出していくか」など、戦略的な面までしっかりと考えた上で方向性を示してもらえたりプロモーションをかけてもらえるかもしれませんが、多くの事務所では所属しただけではそういうわけにはいきません。
ではどうするかと言うと、自分自身でしっかりと計画を練り、自分で俳優としての自分を「ブランド化」することが大事です。
認知してもらう為の宣伝活動や積極的な売り込み活動といった行動を自ら起こしていかなければいけません。
特に今の時代、積極的に自己発信する人が多いですもんね????
ユーチューバーなどを筆頭に積極的に自分をメディア化する人が本当に増えました。
待っているだけでは埋もれてしまう時代が来たといっても過言ではないでしょう。
■俳優として自分をブランド化する為の準備
まず、俳優として自分をブランド化するための準備として、 最低限3つの理解しておかなければいけない事があります。
- そこに市場があるのかを知る
- 求められていることを知る
- 自分の「強み」を知る
いわゆるビジネスでいうところのマーケティングというやつですが、最低限知っておきたいポイントになります。
マーケティング…難しいビジネスっぽい話は… ちょっと苦手…????
大丈夫大丈夫。簡単に説明します(笑)
・そこに市場があるのか?
まず、一番に考えないといけないのは「そこに市場があるのか?」という事です。
たとえば、人の来ない山の上に居酒屋を作ってもお客さんは来ません。魚がいないとわかっているところに仕掛けをする漁師さんだっていません。
どんなに空気が澄んでいてどんなに魅力的な場所であっても、人が登ってこない山の上や魚がいない池は、そこには「市場がない」という事になります。
他にも、 たとえば人口が100人の街があったとします。
そこに1軒の居酒屋があり、その居酒屋には街の人の90人が常連客として通っています。
つまりこの街のほとんどの人が常連客です。
その街に、あなたはもう1軒居酒屋をオープンしようと思うでしょうか?
絶対思わないですね(笑)私ならカフェにします。
カフェはいいですね!すでに足りているものや同じものを増やしても仕事として成り立たせるのは難しいですよね。
これは俳優でも同じで、すでに活躍している俳優と全く同じ路線や個性(キャラ)を狙って攻めようとしているようなものです。
あ、なるほど。。。
場所だけあっても人がいなければ物は売れないし、流行っているお店と同じような店を出すのは相当厳しい戦いになりますよね????
買いたい人がいてこその「仕事」だし、他にはない魅力があってこその「個性」です。
・求められている事を知る
そこに市場があると判断したら、次に大事なことがあります。
原則として「仕事」というのは「市場に求められている」ことが大前提だと言えます。
俳優も仕事として成り立たせるためには、視聴者や観客、または制作サイドに「求められる存在であること」が必須です。
どんなに演技が上手くても、求められる存在でなければ仕事にするのは難しいでしょう。
求められること…
買い物用の安いエコバッグを探し求めている人に、ルイ・ヴィトンのバッグを勧めてもほぼ100%不必要ですよね?
いらないでしょうね、きっと????
でも、これは商品が悪いわけではありません。
ただ、「求められていない」だけです。
俳優の中にも、そうしたちょっとした「ズレ」に気づいていない人がいます。
オーディションなどに行くとわかりやすいですが、相手が求めていることと、俳優自身がアピールしたいことがズレている人をよく目にします。
そうした場合はどうするかというと「商品を変えるか」「市場を変えるか」しかないわけです。
・自分の「強み」を知る
「そこに市場がある」ことと「何を求められているのか」がわかれば、最終的に大事なことは、「自分に何が(提供)できるか」です。
そこが噛み合っていないと仕事として成り立ちません。
先日、ワークショップの打ち合わせで大手芸能事務所のある有名俳優のマネージャーさんとお話しをする機会があった時に「ごもっとも」なことを仰っていてハッとしたんですが、
マネージャー談:
よく、面談の時に「どんな役でもやります!」とか「どんな役でもできます!」と言ってプロフィールを渡される時が多いんですけど、ハッキリ言うとそれを言っちゃった時点でアウトなんですよね。プロの俳優は「どんな役でもやって当たり前」「どんな役でもできて当たり前」ですから。それは得意気になって話すような事じゃなくて、プロになる為の「最低限の資格」みたいなもんなんです。プロ野球選手で「打てるけど投げられません」なんて選手はいないのと同じで、みんな、一般人の僕たちじゃできないようなプレーが一通りできて初めて「プロ」になれるわけですよね。そして、その中で他の人よりも秀でたところがある人だけがプロの世界で通用するんですよね。だからそれ「なんでもやります!」「どんな役でもやります!」って言っちゃった時点で、それって実は「特に得意なものがありません」「特に目立つ事がありません」って言ってるのと同じなんですよね。
と。
本当に、ごもっとも、な意見です。
「仕事」にする。「プロ」になってお金を稼ぐ。ってそういう事だと思います。
気が引き締まる…。
そのマネージャーさんに、
《では、「売る側」の人間としてプロの俳優を目指している人に「求めること」は何ですか?》と聞いたら、以下のように仰っていました。
マネージャー談:
プロは「何でも(どんな役でも)できて当たり前」なんですけど、その中で「こういう役だけは誰よりも得意です!」とか「こういう役は誰よりも説得力があります!」とか、そういう部分を持ってきてほしいですね。そういった得意分野や特徴や個性は、僕みたいな立場(マネージャー)から言わしてもらえば、それがそっくりそのまま営業する時の「セールスポイント」にもなる訳なんです。当然そういうセールスポイントがある方が断然売り込みやすいです。そして、そのセールスポイントが強烈であればあるほど更に売り込みやすいのも事実です。 例えばですけど、「オタクの役をやらせれば右に出るものがいません!」と言えるほど、どこからどう見てもオタクっぽければ売り込みやすいですよね(笑)でも反対に「セールスポイント」が何もなかったり、特徴や個性が弱ければ売り込みにくいです。
と。
こうして聞くと「仕事として」当たり前過ぎますよね。
もちろん、飛び道具ではないので変わった特徴がないといけないわけではありません。
「誰よりも(普通)に見える」でもいいんです。
要は、誰よりも「らしく」見えたり、「っぽく」見えるポイントがあればいいんですね。
でも実は、自分の「セールスポイント」を堂々と言える人って意外にも少ないです。
それどころか自分で自分の「セールスポイント」を理解していない人も多い。
これって客観的に見て、どうでしょう?
そりゃ売れんわ…って感じだ????私、思いっきり当てはまっちゃってます????
「市場を知る」こと、それは同時に「求められていることを知る」ということでもあります。
でも、求められていることがわかったところでそれにお応え(提供)できるものを自分が何も持っていなければ、仕事としては「不必要」になってしまいます。
だから必死になって考えるべきは、
「求められていることに応える為に、自分に何が提供できるだろう?どんな力になれるだろう?」という事です。
俳優として求められていることに応えるために、自分に何が提供できるか?またその強みは何なのか?を考えてみましょう。
ヤバい…そんな大事なことがほんとによくわかってない…
提供するものは誰かと同じでなくていいんです。
むしろ違っている方が「オリジナリティ」があります。
自分だけの「オリジナリティ」を「ブランド化」する為にも、まずは、
- 自分にできる事
- 自分だけの「強み」
- 自分の「オリジナリティ」
を、見つけましょう!
そして、自信を持って「ここが自分の売りです!」と言えるようになれば、積極的にプロモーションをかけて俳優としての「オリジナルブランド」をブランディングしていきましょう。
そうすれば俳優として唯一無二の存在になれるでしょう。
■まとめ
俳優として自分をブランド化するためにも、まず一番大事なのは求められていることに対してあなたは何を提供できるのか、ということです。
あなたの強みは何なのかを明確にすることです。
ルイ・ヴィトンだってシャネルだって、メルセデス・ベンツだってBMWだって、 一流のブランドはみんな他とは違う強みを持っています。
そこが「売り」になり、コアなファンがついてブランド化するわけです。
他にはない、あなたというブランドだけの魅力を見つけ、輝かせましょう。
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