俳優にとっての「強み」とは、俳優としてのあなたのセールスポイントです。
あなたには自信を持って「私の俳優としての強みは〇〇です」と言えるセールスポイントがあるでしょうか?
実は、ワークショップに参加してくれる人にも多いのですが、俳優を目指す人の中には「何も人に自慢できるセールスポイントがない」という人も少なくありません。
何を自分の俳優としてのセールスポイントにするかは人それぞれなので個人の自由ですが、「特にセールスポイントがない」という人は、まずは基本的なことだけでも身につけておきましょう!
今回の記事では、身につけておけば俳優にとっては「得しかない習い事」をご紹介します。
何が俳優としての「強み」になるのか?
まず、何が俳優としての「強み」になるかは、無限の可能性があります。
ダンスなど身体的なことから、記憶力など頭脳的なことまで様々です。
ただ単にやり過ごしてしまうと見逃してしまいそうな小さなことでも、俳優にとっては「強み」に変えられることもありますので、日常的に常に「何か自分の強みに変えられないか?」と、考えておきましょう。
「思考」を「プロ思考」に変えるためには、まずは常に意識することです。
ワークショップでもそうですが、ここでタイプが2つに分かれます。
同じことをお伝えしても「聞き流してしまう人」「実際に取り組んでみる人」です。
実は、自分の「仕事」に関わることであっても「聞き流してしまう人」の方が多いです。
今からご紹介する「俳優にとって得しかない習い事」も、誰でもわかる簡単なものばかりなので一度くらいはどこかで聞いたことがあるかもしれませんが、それでも実際に身につけている人の方が少ない事からもわかるように、知っていても「取り組まない」人が多いんです。
なので「実際に取り組んでみる人」にとっては、大きなチャンスです!
どんなに小さな行動であっても、他の俳優志望者と大きく差を広げるチャンスなので一度は実際に取り組んでみてくださいね。
俳優にとって「得しかない」基本的な習い事とは?
俳優にとって「得しかない」基本的な習い事とは何でしょうか?
わかりますでしょうか?
もったいぶらずに早く教えてよ~と言われそうですが、意図があってわざと焦らしてます(笑)
何事も、まずは「自分で考える」という習慣をつける為に。です。
これは非常に大事なことで、今後、俳優として仕事をする上で、監督や演出家などと打ち合わせや話し合いをすることが日常になってくると思いますが、そんな時でも「人に委ねるだけ」の人は、自分の考えを持たずに指示されることを「待つだけ」になってしまいます。
実際にそんな俳優も多いです。※特に俳優を職業にできていない人に。
でも、一流の俳優であればあるほど、自分の考えや解釈を持った上で監督や演出家の意見を求めます。
「自分は(こういう)解釈をして(こんな風に)考えていますが、どうでしょう?」といったように、まずは自分の考えを述べたうえで、相手の意見も確認するといった感じです。
まずは「自分で考える」という思考を持った人。自分で考えずに最初から「教えてください」と意見や指示だけを求める人。
こういった、その人自身の「思考」や「スタンス」はあらゆる面で表面化します。
プロの「思考」は、「まずは自分で考える」です。
少し話が逸れましたが、そういった「思考」や「意識」「考え方」を正していく為にも、何事も意識的に「まずは自分で考える」ことを習慣化していってくださいね。
ですので、正解や不正解は気にせず、自分なりに思う「俳優にとって必要だと思う基本的な習い事」とはどんな事か?を考えてみてくださいね。
そして、
人に言われる前に「自分が必要だと思うこと」くらいは実践したいところですよね。
俳優として強みになる、おすすめの基本的な習い事
本当のことを言うと、やっておいたら俳優として役に立つことなんて限りなくあります。
ですが、ここでは最小限に絞って、最低限やっておくべき習い事をご紹介します。
この中で、あなた自身が必要だと思うものがあれば、是非参考にしていただいて、すぐにでも実践することをおすすめします。
殺陣
これは舞台でも映像でも、時代劇などでは役に立つ・・・というか、基本的な知識や所作は身についていないと仕事としてのオファーがもらえるチャンスがぐっと減ってしまうので、基本だけでも必ず習っておきましょう。
もちろん女性でも、実際にその時代に生きた女性は本物の刀を見たことも触れたこともあると思いますし、日常の中に普通に在ったものとして「知っておく」べきなので、殺陣を習ってみてもいいかもしれません。
男性であれば、女性の非ではないくらいに刀はもっと身近なものだったはずですので、一度は必ず習ってみることをおすすめします。
そして、殺陣以前の問題で、和装しての身のこなしや所作などは早いうちに経験しておかなければ、いざ役を頂いても撮影現場で困ってしまいますので早い段階で基礎だけでも身につけておきましょう!
※自分は時代劇は絶対やらない!という人には殺陣は無関係です。
日本舞踊
日本舞踊。こちらも基礎だけは必ず習っておいた方が良いです。
まず立ち居振る舞い、身のこなし、所作が全然違ってきます。
もちろんしっかりと日本舞踊を踊れるようになれば、それだけでできる役の幅が広がりますが、基礎や基本的な動きを知るだけでも、俳優としては大きな収穫です。
普段あまり着物などを着ない人にとっては、着物を着て座ったり立ったりすること自体が綺麗な動作でできません。
当然、それでは様にならないので、役を与えられることはありません。
特に時代劇に出演する機会がなくても、和装の際には非常に役に立ちますので着物での基本的な所作、立ち居振る舞いは勉強しておくことをおすすめします。
ダンスやウォーキング
日本舞踊同様、ダンスも所作や立ち居振る舞いといった身体の使い方を学ぶには非常に効果的です。
立ち方(姿)、歩き方。
普段何気なく動いている動作が、演技になるととても難しく感じる時があると思います。
特に姿勢や立ち方、歩き方、佇まい、仕草などは、その人物の「特徴」となる要素ですので、役柄によって変化させるべきものですが、これをコントロールしようと思うと普段から自分の身体の動かし方を意識していない人にとっては非常に難しいものになります。
「無意識」だとどうしても自分自身の「癖」や「習慣化されたもの」が出ますので、それは俳優自身の特徴になってしまいます。
もちろん演じる俳優と、役柄の特徴がマッチングしていれば誤魔化せますが、マッチングしていなければ「役柄」と「役者」が分離してしまっている状態です。
俳優に求められるのは、演じる「役の特徴」ですので意識して身体を動かせるように訓練しておかなければいけません。
そこで勉強になるのが、ダンスです。
俳優にとって一番良いのはベーシックな「クラシックバレエ」です。
本格的なダンサーを目指すのが目的ではないので、身体の動かし方を学ぶという点では、やはり指の先端まで意識を向け、身体の柔軟性なども重要視されるクラシックバレエが一番の基礎となりますのでやっておけば得しかないでしょう。
また、本格的なウォーキングなども一度は習ってみることをおすすめします。
綺麗に歩く、観せるために歩く、真っ直ぐ歩く。
日常ではあまりそんなことは考えずに歩いていると思いますが、たった一つ、何かを意識して歩くことがどれほど難しいことかがわかります。
「綺麗に歩く」と意識しただけで、真っ直ぐ歩くことさえできなくなる人が多いです。(笑)
ボイストレーニング(場合によって歌唱も)
ボイストレーニングと言うと「歌」と思っている人も多く、俳優にはあまり関係ないと考えている人もいますが、歌ばかりではなく基本的な腹式呼吸や発声方法を教えてもらうことができますので、俳優にとっては非常に大事なものです。
特に舞台俳優を目指す人は必須ですが、ドラマや映画など映像で活躍したい人も「通る声」や「マイクにのる声」というのを学ぶことができます。
ものすごく小声で話しているのに、非常に聞き取りやすい俳優さんがいるんですね。
それって声質でしょ?と思うかもしれませんが、そうではありません。
もちろん声の質は人それぞれですが、呼吸法や発声法によって「通る声」というのは鍛えることができます。
今までに基礎的な、呼吸法、発声法をしっかりとプロに学んだことがない人は必ず基礎くらいは学びましょう。
ミュージカルなども活動フィールドとして視野に入れている人は「歌唱」のボイストレーニングも必ず習いましょう!
「声」は俳優にとって非常に大事な商売道具であることを忘れずに。
まとめ
わりと簡単に始めることのできる、最低限やっておいた方が良いと思うものだけを厳選して書きましたが、他にも乗馬やアクション、英語などもそうですし、俳優にとって学んでおいて得する「強み」はたくさんありますので自分自身で自分にとっての「俳優としての強み」を考え、必要だと思うことは、是非とも磨いていってくださいね。
習い事とは違うかもしれませんが、着物を「ちゃんと」着れるだけでも十分「強み」になりますし、記憶力が良いだけでも十分ですし、他にも日常生活の中でも俳優として活かせると思うことに常にアンテナを張っておくようにしましょう!
身の周りのことに常に俳優思考で意識を向け、感性を磨くことも大事です。
舞台でも映画でも、いろんなジャンルのたくさんの作品を観ることはもちろん、たくさんの景色、そしてたくさんの人との会話など、自分に新しい価値観や知識、新しい経験をもたらしてくれるものには積極的に向き合うことをおすすめします。
俳優になる為に毎日自宅でできるトレーニング方法という記事でも書いたように、今は自宅で好きなタイミングで、映画やドラマはもちろん、舞台観劇だって自由にできる時代です。
空いた時間を使ってどんどん自分の感性を磨いていきましょう。
どんな事でも継続して続けることが一番難しいことですが、俳優としてだけでなく、人としての経験値や器、容量などがアップすると考えると更に楽しく続けていくことができますので自分自身の成長のためと捉えて、まずは何か一つだけでも実践するようにしていきましょう!
自分には不必要だと思うことは取り組む必要はないですが、少しでも俳優としての自分には必要なことだろうなと思うことは「思う」だけでなく「行動」を起こすことが大事です。
「聞き流してしまう人」と「実際に取り組んでみる人」の間には大きな差があることを忘れずに!