「俳優として売れる」方法は、決まった方程式があるわけでも正解があるわけでもないので、俳優の数だけあると思います。
そんな中で今回は、僕自身の割と身近なところで、「俳優を職業にする」という夢を実現した仲間の実話を紹介したいと思います。
これから俳優を目指そうと思っている人や、既に俳優として活動しているけどまだ職業にはできていない人などは、ひとつの参考として是非ご覧ください。
この記事の目次
■何をきっかけに、どうやって売れた?俳優として「売れる」までの実例紹介
ここで紹介する話は、僕自身の養成所時代の仲間や、劇団時代の仲間など、身近な関係の中で実際に俳優を職業にした仲間たちの実話になります。
ただ、現役で活躍している俳優の話になるので、実名は伏せさせていただきます。
・シリーズ化したドラマで名セリフを残した女優の例
これは何年か前にシリーズ化して何度となく放送されていたドラマ(何本か映画版もあり)で毎回決まりセリフとなった名セリフを残した女優の話です。
彼女とはお互い20才くらいの時から一緒に舞台をやったりしていた仲間だったんですが、今はなき「笑っていいとも」のテレホンショッキング、「ごきげんよう」、また「徹子の部屋」などにも出演するほどの女優になってしまいました。
美人系などで売っている女優ではなく、どちらかというとコミカルな役が多く、それを売りにしている女優でもあります。
そんな彼女が「売れる」きっかけになったのは、「舞台」です。
当時まだ20代だった頃、所属していた事務所も小さな事務所で、事務所の力とかコネなどで売れたわけでもなく最初のきっかけは純粋に舞台での演技が偶然別の俳優さん繋がりで観劇に来ていたあるプロデューサーの目に留まったことでした。
舞台が終わった彼女のもとにプロデューサーが現れて話はとんとん拍子で進みました。
なぜならそのプロデューサーこそが、「シリーズ化されたドラマ」のプロデューサーだったんです。
そして彼女は、そのドラマの中で決まりセリフとまでなった名セリフを残し、しっかりと爪あとを残しました。
その実績と実力を買われて、大手の芸能事務所への移籍も決まり一気に彼女の俳優人生は激変しました。
ちなみに、彼女が売れるきっかけとなった舞台公演は客席数200席くらいでそれほど大きな劇場での公演ではありませんでした。
そんな小規模系の舞台公演でも、いつ・どこで・だれに観られているかわかりませんね。
・自主映画から一気に売れた俳優の例
次は、舞台の共演をきっかけに交流していた後輩俳優の実話です。
ここ数年で、映画業界も大きく変わてインターネットの普及やデジタル化で一昔前に比べると比較的誰もが簡単に映画を撮れる時代になりました。
もちろん、撮れるというのとヒットさせられるのは別物ですが。
ショートムービー、自主映画という枠の映画祭やコンクールなどもたくさん増え、各地で開催されています。
少し前に話題となった「カメラを止めるな!」などが良い例ですよね。
自主制作した映画が商業映画並みに大ヒットして、それを撮った監督や主要キャストが注目され、一気に売れるというようなこともある時代です。
ここで紹介する後輩俳優の話も、まさに同じです。
出演していた自主映画が大ヒットして、国内外の映画祭や映画コンクールなどで賞を取り一気に注目され、フリーで活動していた彼は大手芸能事務所からスカウトされ、今ではもう普通に一線で活躍しています。
自主映画などもそうですがYoutubeやその他のSNSでの動画配信など、自分から自由に発信していける今の時代は俳優にとっても本当にチャンスの時代ですよね。
なので、素晴らしいと思うものにはどんどん積極的に参加して、どんどん発信していくべきだと思います。
彼が一気に売れるきっかけとなった自主映画も知名度の高い有名な俳優は1人も出ていませんしスタッフも全員がプロではありませんでした(※その時点では)
・粘り強くオーディションを受け続け有名劇団に入った俳優の例
続いては、舞台を中心に活動している俳優の実例です。
これは、僕が俳優養成所を辞めて一番最初に入団した劇団に同期入団した仲間の話です。
彼には、ものすごく憧れている劇団があって、俳優になりたいと思ったのもその劇団の舞台公演を観たのがきっかけでした。
でも自信がなかったのでまずは慣れるために経験を積むという目的で僕と同じ劇団に入ったということでした。
2年ほど経っていよいよ憧れの劇団のオーディションを受けると言い出し、入ったわけです。
本当に俳優になるという行動を起こした上に、本当にその劇団に入った彼にとっては人生を変える「芝居」「劇団」との出逢いだったわけですね。
ただ、すんなり憧れの劇団に入団できていればスーパーラッキーボーイだったんですが、 それほど世の中は甘くなく彼にとっては茨の道でした。
彼は憧れの劇団のオーディションに落ち続けました。
入団と同時に給料が出るような規模の大きな商業劇団なので、甘くはないですよね。
でも彼のその劇団に対する情熱は相当なもので、なんと・・・4年かかってようやく憧れの劇団のオーディションに受かりました。
晴れて憧れの劇団に入団した彼は今もその劇団で活躍しながら、映像の世界でも頑張って俳優しています。
・研究生を経て、確実に着実にステップアップしたミュージカル俳優の例
次に紹介する実例も、舞台俳優として活躍する俳優の話ですが、ある意味王道というか、回り道したり寄り道せずに真っ直ぐ自分の夢を実現した一例になります。
彼も、お互いが俳優活動をし始めたころに出会い一緒に舞台をやっていた仲間ですが、当時は普通の現代劇をやっていました。(少しだけ業界用語的に言うと、ストレートプレイというやつです。)
でも彼は、ある時観た「ミュージカル」に心惹かれます。
自分が目指したい道が明確になった彼は、すぐにそのカンパニー(劇団)の研究生になるためのオーディションを受けると言い出し、歌もダンスも専門的に学んだことのなかった彼はすぐに歌もダンスも習い始めました。
そして、晴れて研究生になったんです。
「ミュージカル俳優になりたい」と言い出してから、約半年ほどでその切符を手に入れました。
日本を代表するような大規模ミュージカルカンパニーです。
今、彼は毎日ステージの上で素晴らしい歌声と希望に満ちた芝居を提供しています。
年数を重ねるごとにレベルアップしていく彼の姿は、今でも僕たちにやる気と勇気を与えてくれますね。
■「売れた人」の共通点
いくつか実際に身近なところでの実話を紹介しましたが、ここに紹介した話はほんの一例です。
売れるきっかけや売れるまでの経緯などは、俳優の数だけ道があると言ってもいいくらい、本当にたくさんの可能性があります。
ただ、成功の方程式や正解がないとは言え実際に夢を実現した人には共通点を感じます。
それはやはり、<< 行動力 >>です。
これは何も俳優にだけ言えることではないですが、結局のところ、「人生の新しい扉を開ける」「今の人生を変える」そのために一番大事なのは「行動力」ではないでしょうか。
もちろん、行動を起こすための「情熱」や「熱意」も大事ですが。
反対にまだ売れていない人たちに共通しているのは「うちの事務所、全然オーディションないんだよね・・」「事務所を変えようかな?」など、周りが動いてくれることを期待している人が多いように感じます。
でも夢を実現していく人は、周りよりも自分がどう動くかという事を常に考えているように思います。
例えば、俳優としての自分を磨き、レベルアップするためにやれることなんてたくさんありますよね。
ストレッチ、滑舌練習、発声練習、朗読など自宅でもできることがたくさんあるのに、何もやっていない人は危険信号です。
願うだけで何も行動を起こしていないというような状態にならないためにも、常日頃から自分がどう動くのか、常に「自分の行動」にフォーカスを当てて考えるようにしておくことをおすすめします。
■まとめ
今回の記事でもわかる通り、俳優として売れる方法や道筋は様々だということです。
これから俳優を目指す人が一番知りたいのは「どうすれば俳優になれるのか?」「売れるためには何をすればいいのか?」ということではないでしょうか。
でも、紹介した実話からもわかるようにサクセスストーリーは人それぞれです。
方程式や正解を求めてさまよい続けるよりも、自分を信じ、信念を持ってチャレンジすること。し続けること。が最も大事だと思います。
まず、<行動>ですね。
ワークショップに参加してくれる人などに「専門学校(または大学)、養成所、芸能事務所に入ろうか迷っています。どうすればいいでしょう?」と聞かれることがあります。
もちろん、何を目指すかによって適した方向性はありますが、正直言って「コレっ!」と言った正解はありません。
養成所と専門学校などの違いについてはこちらの記事で解説しているので参考にしてください。
2番目に紹介した「自主映画から一気に売れた後輩俳優」を例に挙げると、彼はフリーの俳優として活動していました。
でも、だからこそ彼の中に自覚がありました。
「自分はフリーだから自分自身がアクションを起こさないと何も変化は起こらない」
「待っていても誰も動いてはくれない。人生も動かない。」
「自分にはオーディションを持ってきてくれるマネージャーも事務所もいないから、積極的に自分でオーディション情報を調べて、どんどんオーディションを受けていかないと埋もれていく」
そういった危機感を持っていたんですね。それが彼の原動力になっていたんだと思います。
でも、芸能事務所に入っている人はたくさんいますが、オーディションは事務所が取ってきてくれるもの、チャンスは事務所が運んできてくれる、というような感じになってしまっている人も少なくありません。
ここでわかるように、フリーだからこそ自分で積極的に行動を起こす人と、事務所に所属しているからと人任せにしている人。どちらが個人的なエネルギーがあるかだと思います。
※もちろん事務所の方針にもよるので気持ちがあっても行動を起こせない人もいるかもしれませんが。
実際に、フリーで活動していた彼が自分の力で大きなチャンスをモノにして人生を激変させましたからね。
どっちが正解とは言えないのが、正直なところです。
ただ1つ言えることは、俳優個人にどれだけ高い意識やエネルギーがあるかが最も大事だということです。
前向きに、積極的に、行動を起こしていきましょう。
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