これから俳優を目指そうと思っている人にとって、まず最初の悩みは「何から始めればいいのか?」「どんな方法で始めればいいのか?」ということではないでしょうか?
こちらの記事でも書いている通り僕自身は養成所出身なのですが、自分も養成所を選ぶ時に同じように悩みました。
でも、この悩みに対する絶対的な答えは…ありません。笑
ないんだ…????
というのは、人それぞれ目指す俳優像が違うので全員に対して同じ1つの答えしかないということはあり得ないからです。
ただ、あなたにとっての適切な方向性というのはあるので、「自分がどの道を進んでいけばいいのか?」を考えるためのいくつかの大事なポイントをお伝えします。
■進むべき道は、あなたが俳優になる「目的」による
俳優を目指すにあたって、始める方法というのは、俳優養成所、専門学校、大学、芸能事務所に所属、劇団に入団などいくつかの方法があります。
どの方法を選択するかを決める際に一番大事なことは、「あなたが俳優になるための目的に直結しているか」、つまり、どの方法が自分の夢を実現するために一番適していて近道かということですね。
たとえばあなたが、「主に映画で活躍する俳優になりたい」のか「舞台俳優になりたい」のか、たったこれだけのことでも選択肢は当然違ってきます。
「どの方法で始めればよいか?」よりも「どこを目指すか?」の方が大切だということです。
まず、あなたが「俳優になる目的」と「どんな俳優になるのか?」という2点を、自分の中で徹底的に明確にしましょう。
この「目的」と「未来の俳優像」を明確にしておくことはとても大事で、これから先、さまざまな選択をする場面で、あなたの指針になってきます。
今はまだ、「〇〇さんみたいな俳優になりたい」「あんな作品に出てみたい」「あんな舞台に立ってみたい」など、漠然とした憧れ的な目的でも大丈夫ですが、少しずつ、自分の人生をかけるに値する根本的な「目的」を明確にしましょう。
それがまだ明確でないならば個人的には専門学校などに行って、基礎的なことを学びながら時間をかけて業界のことを知りつつ、自分の進みたい方向性を決めるのが良いのではないかと思います。
■どの道に進むかは、今のあなたの実力やレベルにもよる
何から始めればいいのか全員に同じ答えが当てはまらないのは、人それぞれの「俳優としての能力やレベル」にもよるからです。
ここでいう「俳優としての能力やレベル」というのは、「演技の上手さ」という意味だけではありません。
お芝居が上手ければそれだけで俳優を職業にできるのかと言うとそんなことはなくて、まだ売れていない、一般的には無名と言われる俳優の中にも、演技の上手い俳優はたくさんいます。
お芝居を「芸術」として捉えれば、多くの人に認知されず生計を立てられなくても、一部の限られた人に賞賛されればそれでいいのかもしれません。
でも、多くの人に認められ、求められるものでないと職業としては成立しません。
確かに、需要がなければ「仕事」としては成り立ちませんよね????
俳優に限らずどんな仕事でもそこは同じですね。
俳優だけでなく芸能業界全般に言えることですが、この業界は「人気商売」です。
人気さえあれば何でもいいという意味ではありませんが、やっぱり人気(視聴者や観客が観たいと思う興味・関心)がなければ、「仕事」にはなりません。
反対に言えば、演技が少々ヘタでも、人気さえ出れば俳優を職業にできる可能性はあるということですね。
もちろん「演技がうまい」ということは人気が出る大きな要素の1つですが、見た目(容姿)や、キャラクター(個性)など、どの部分で人気が出るかはわかりません。
なので、人それぞれの「俳優としての能力やレベル」というのは「=演技力」ではなく「総合力」です。
たとえばの話、あなたは今まで演技の勉強は一切したことがなく、演技に対しての自信もないとします。
でも、ファッションが好きで服装のセンスが抜群によく、おまけに身長も高くてスタイルも良く、容姿端麗で人柄も良くて男女共によくモテるとします。
そんな人になりたい(笑)
こんな場合は専門学校や大学に入って演技の勉強をするよりも、芸能事務所に入って仕事をしながら演技の勉強をするという選択の方がいいかもしれません。
なぜなら、演技力がないのは勉強して向上していかなければいけませんが、別の要素で「即戦力」になれる可能性があるからです。
「すぐに仕事に繋がる魅力」を既に持っているなら、現場でもまれながら同時に勉強していくという手もありだということです。
実際に、スカウトなどでデビューし活躍している俳優などは、その良い実例ですよね。
確かに専門学校にも養成所にも行ったこともない人が一線で活躍していたりしますよね????
演技の専門的な学校や養成所にも行ったことがない俳優は意外と多いですよ。
ただし、いきなりプロの現場に放り込まれることになるので、しっかりとケアしてもらえる環境や演技の勉強ができる環境が整った事務所を選んだ方がよいなど、いくつかの注意点もありますが、そういった別の視点での選択肢もあるということだけ知っておくと視野が広がります。
■他人にゆだねすぎず、自分で考え、自分で決める
目指すジャンルや俳優像が違えば選択する道も違って当然ですが、たまに1つの答えだけを絶対のように言う人もいます。
僕も現役のころはたくさんのワークショップなどを受講したので実体験として、どんなことでも答えを1つだけに絞りたい講師が多いことも知っています。
たとえば演技論などでも同じで「こういうときはこういう芝居」と、答えは1つだけと考えている講師や演出家、監督などもいます。
でも、実際の撮影現場や舞台の現場に行くと監督や演出家によって要求されることは全く違うことが多いものです。
それって怖い…
演出家や監督によっては真逆のことが「良し」とされることも多々あるので、俳優に必要なのは柔軟な対応力だと思います。
どんなことでも物事には多面性があるので、答えが1つしかないということはありません。
「どんな方法で俳優活動を始めればいいですか?」と、経験者や専門家に相談するのはとても良いことですが、それも人によって返ってくるアドバイスや意見は違うことが多いです。
そんな時に、最終的な答えは自分自身で出せる決断力は身につけておきたいところです。
僕の意見も含め、他人の意見にはさまざまな考え方や捉え方があるので、どの意見も「そういう考え方もあるんだ」と参考程度にとどめ、それを基にして自分なりに考えるクセをつけましょう。
他人の意見を鵜呑みにするだけでは、今後の俳優人生でも振り回されてしまいますので是非今から実践していってくださいね。
まずは自分自身で、「俳優になる目的」と「目指す俳優像」を明確にし、そこを目指すのに本当に一番良い方法は何か?と考えてみましょう。
ただ、答えを焦る必要はないです。
まずは専門学校がどんな感じなのか、養成所がどんな感じなのか、それぞれの特色や環境やシステムの違いなど、資料請求できるところなどは資料を取り寄せてみて、まずは「見比べてみること」「知る」ことから始めてみるのもいいと思います。
■おおまかなタイプ別でみる選択肢
最後に養成所出身の身として、個人的な考えをまとめます。
進みたい道が明確でないならば、まずは総合的に学べる専門学校、大学などで基礎的な演技や業界について幅広く学びながら、徐々に進みたい方向を絞り込んでいくという選択もいいかもしれません。
進みたい道が割と明確なのであれば、その道に特化した養成所から始めるのが良いと思います。
演技力には自信がなくても、芸能人(俳優)として即戦力になるだけの魅力は既にあると思えるなら、思い切って芸能事務所にトライするのもおおいにアリだと思います。
なるほど~、私は主に映画業界で活躍したい…
もしくは、専門学校や養成所ではなく、最近では映画監督などのワークショップなども数多く開催されているのでそういったものに参加するのも良いと思います。
代表的なもので言えば三池崇史監督の「三池崇史の役者の穴!」などは完全無料で三池監督に教わる事ができるという貴重なワークショップなどもあります。
また自主映画など一般公募されている映画などもたくさんあるので、一度参加してみて現場を肌で感じてみるのもいいと思います。
合わせて読みたい
ヒューマンアカデミーのカリキュラムや学費など。卒業生はどんな人がいる?
テアトルアカデミーって?コースや入学金、月謝などのかかる費用詳細。