演じるとは?演技は3分割して考えるとわかりやすい【初心者】

これから俳優を目指す人や初心者にとっては、「演技をする」「演じる」ということは未知の領域かもしれません。

謎だらけで、とても難しいことのように感じる人もいると思います。

演技とは「セリフを覚えて話す」だけではなく、自分とは性格も考え方も生い立ちも、家族構成も血液型も全てが違う全く別の人間になりきることです。

そこで、演技をわかりやすく理解するための3分割の考え方をお伝えします。

■演技は3分割して考えるとわかりやすい

脚本を手にしたその日から本番を迎えるまでの工程を3分割にして考えると、自分がやるべき事や手順がとてもわかりやすくなるので、その3つの工程をお伝えします。

●演技の工程とは、料理と同じ

映像でも舞台でも、視聴者や観客に見せる段階の演技を一つの完成形だとした場合に、そこまでの工程を料理に置き換えると自分がやることがとてもわかりやすくなります。

まず料理を作る工程は以下の3つの工程になります。

3つの工程
  • ①仕込み(下準備)
  • ②調理
  • ③飾り付け(盛り付け)

演技の工程もこれと同じです。

1つずつ簡単に解説します。

①演じる上での仕込み(下準備)

脚本をもらって自分が演じる役に必要な情報を収集するのは、料理を作るのに必要な食材や調味料を収集するのと同じです。

食材&調味料=情報(年齢、性格、家族構成など)

食材などを集めるだけではなく、煮込み料理などの場合は事前にタレに漬け込んで数日間寝かしておくとか、食材にひと手間加えることもありますよね。

演技の場合も同じで、演じる上での大事な情報を集めるだけでなく、演じる役の必要性によっては事前に体重を増減させたり習い事をしたり、食材となる自分自身の仕込みや下準備をする必要があります。

この準備の段階でやることの一覧はまた別の記事で紹介しますが、まずは演じる前に準備という工程があるということを覚えておきましょう。

②演じる上での作りこみ(調理)

材料が揃って仕込みや下準備が整ったら、ここからが作りこんでいく段階ですね。

実際に料理を作っていく調理の段階と同じで、俳優にとって役作りの段階です。

脚本というのはレシピと同じで、そこに書かれている食材や調味料(情報)を揃えて、手順通りに行なっていけばある程度の形にはなります。

でも、調味料の配合やバランスなどで、大きく味は変わります。

演技の面白さや難しさも、同じことが言えます。

演技の上手い人と演技の下手な人が同じ役を演じるとした場合、脚本はもちろん同じ、そしてそこに書かれている情報も同じ、でも、明らかに「完成形」は違ってきます。

なぜか?

それは、材料(情報)の活かし方や配合、タイミング、見せ方などの脚本には書かれていない部分に大きなポイントがあるからです。

もちろん、これから俳優を目指す人にとって最初から全てうまい具合にできなくて当然ですが、演じるとは脚本に書かれているセリフを覚えて話すだけではなく、もっと大事なポイントが他にあるということを覚えておきましょう。

③演じる上での表現(演出、盛り付け)

料理でも演技でも、作りこんだらそれで終わりではありません。

最後に、人前に提供する前に「よりよく見せるために」そして、「そそられるような」盛り付けや飾り付けが重要になってきます。

盛り付けや飾り付けと言うと華やかなイメージがありますがそうではなく、例えば料理でもメニューによっては昔懐かしの素朴で質素な雰囲気が喜ばれたり、シンプルな給食メニューなどが需要があったりする場合もあります。

演技も同じで、演じる役によっては華やかにオーバーな見せ方をする方が良い場合もあれば、素朴に、シンプルに、控えめに見せる方がよりよく見える場合もあります。

つまり、その時その時で一番「そそられる」見せ方をするのが良いということですね。

俳優業界には「演技が上手いのに売れていない俳優」というのも意外と多いです。

そういった場合は、作り方は上手いのに見せ方がイマイチという場合もあるので、重要なポイントとして覚えておきましょう。

■まとめ

これから俳優を目指すうえで最初の取っ掛かりとして、「演技とは?」という疑問をわかりやすく解消するための、3つの工程を紹介しました。

3つの工程

大事なことは、

脚本に書かれている情報は答えではない」ということです。

脚本に書かれている情報は、料理でいうところの食材や調味料といった、作るために最低限必要な材料であり、その配合やバランス、活かし方などによって出来上がりの味や見た目は大きく変わるということを覚えておきましょう。

そして、もう1つ。大事な要素があります。

同じ材料、同じ準備、同じ配合で同じ作り方、同じ盛り付け方をする2人がいたとします。

まったく同じように作って、見せても、優劣がつく場合があります。

なぜか?

その優劣をつける大事な要素とは、

素材そのものの質」です。

同じものを同じように作って、同じように飾り付けても、格安スーパーで買ったお肉と高級店のA5ランクのお肉を使うのでは、完成形の味はまったく違ってきますよね。

俳優にも同じことが言えます。

俳優を目指す上で「素材」というのは自分自身ですね。

同じくらいの技術を持っていたとしても、感受性や感性など俳優それぞれの中身には違いがあります。

そして、その人間性や魅力というのが、ちょっとしたしぐさや立ち振る舞いの中に、雰囲気や波動として表に出ます。

なので、素材そのものの質を高めるということも大事です。

常に素材の質を高めるように心がけて、日々の努力を忘れないようにしましょう。

Share

  • Add this entry to Hatena Bookmark

Follow Me