演技力の身につけ方が知りたい
きっとこれから俳優を目指す人やまだ目指し始めたばかりの人などは誰もが思っていることではないでしょうか?
そこで、演技力の身につけ方と演技に絶対必要な10の要素を簡単にわかりやすく解説します。
■演技力を身につけるってどういうこと?
演技力を身につけるというと、セリフの言い方(言い回し)や間のあけ方などテクニック面ばかりを重要視してしまいがちですが、テクニックだけを磨いても根本的な演技力が身につくかと言うとそうではありません。
相手役との「コミュニケーション能力」や台本を読み解く「読解力」などさまざまな大事な要素が絡み合って演技(表現)になります。
そうした演技に必要な要素を身につけることが「演技力を身につける」ということです。
■演技力を身につけるために絶対必要な要素
まず、演技力を身につけるために何が必要なのかをわかっていなければ練習や訓練のしようもないですよね。
なので、まずは 演技力を身につけるために必要な要素を解説したいと思います。
演技に絶対必要な要素
- 発声(腹式呼吸)
- 表情
- 感情開放
- コミュニケーション能力
- 想像力
- 表現力
- 運動能力
- 読解力
- 向上心
- 勇気(行動力)
細かく言えばもっともっとありますが、ここでは主に必要な要素だけを解説します。
・発声(腹式呼吸)
基本中の基本ですが正しい発声ができるようになる必要があります。
ただ大きな声を出すというのではなく、小さな声でも「通りやすい声」「聞き取りやすい声」を出せるようになることです。
また、距離感や感情をコントロールして声に出せるようになることも大事です。
特に舞台をやる人は発声は大事になってきます。
発声は一人でも訓練することができるので日頃から訓練しておきましょう。
・表情
表情というのは当たり前のように聞こえるかもしれませんが、これから演じる役は自分とは違う人間を演じるわけですよね。
もしあなたが満面の笑みで笑うことが苦手だとしても、演じる役は満面の笑みが似合う人物かもしれません。
表情筋というのは目や口や鼻などを動かす筋肉のことです。
普段あまり使っていない筋肉を急に自由に動かすことはできません。
顔には30種類以上の筋肉があり、その働きによってさまざまな表情を作り出します。
この表情筋の動きを自由にコントロールできるように日頃から表情筋を鍛えておく必要があります。
・感情開放
感情を表現するためにも、自分の感情を開放(表に出す)ことができなければ細やかな表現ができません。
つまり、自分の心の中をさらけ出すということです。
簡単なように思えるかもしれませんが、最初はこれが苦手な人も意外に多いです。
あなたは、オーディションに行って急に「泣き叫んでください」と言われて異常なくらい泣き叫ぶことができるでしょうか?
「涙が出るほど愉快に笑ってください」と言われて「よーい、どん」で急に涙を流しながら笑えるでしょうか?
難しそう…
そうした感情を開放する訓練も大事です。
・コミュニケーション能力
人の話を聞いたり人の気持ちを理解したり、日常生活でも当たり前のことかもしれませんが芝居の中ではとても大事な要素です。
セリフの掛け合いというのは、ただ覚えた言葉を順番に言い合うだけではありません。
ちゃんと人の言葉を聞き、それを理解する「間」やどういう風に受け止めたのかを表現する上でちゃんと芝居の中でも会話するコミュニケーション能力が必要です。
もちろんこれは日常の会話や人とのやり取りの中で訓練することが可能です。
何より大事なのは、まず人に関心や興味を持つことだと思います。
・想像力
これは俳優にとってなくてはならない能力です。
文章だけを読んで情景や感情をイメージする力。
目には見えないものをそこにあるかのようにイメージする能力。
想像力を高めることが演技力アップにつながると言っても過言ではないぐらい大事な要素です。
想像力を身につけるために絶対にやった方がいいのは本を読むことです。
特に小説などストーリー(物語)仕立てになっている本を読んで、常に文章から人間像や季節・情景、その時々のシチュエーションなどを想像する能力を養いましょう。
・表現力
表現力は頭でイメージしたものを目に見える形にすることです。
頭で想像はできても、それをその通りにやりきるのは難しいですよね?
表現力の面白い訓練方法は親や友達など身近な人のものまねをしてみることです。
正解が身近にあるっていうのはわかりやすいですよね(笑)
イメージ通り演じられるか試してみると面白いですよ。
また、想像力を養うのには本と同様に舞台や映画も可能な限りたくさん観た方がいいです。
今は映画も舞台もオンラインで観れる時代なので勉強のためにたくさん観ましょう。
その時の映画や舞台の観方は、単純に「面白いか、面白くないか」という観点だけで見るのではなく、
「なぜ、ああいう行動をとったのかな?」
「なぜ、あのセリフの前に間を空けたのかな?」
「なぜ、あそこで視線を外したのかな?」
とさまざまな疑問を持って観てみることです。これがとても大事です。
もちろん、単純にお客様視点で「面白いか、面白くないか」だけで観るのも大事です。
お客様視点と俳優視点とで同じ作品を複数回観るのが理想ですね。
映画や舞台をオンラインで観れるサイトは以下の記事で紹介しているので参考にしてみてください。
おうちで勉強鑑賞
・運動能力
運動能力と言っても跳ぶとか走るというような運動能力ではなく、自分の体を指先まで意識的に動かせる能力のことです。
僕もクラシックバレエとジャズダンスを習っていた経験がありますが、俳優を目指す人にはダンスや日舞などを習う人が多いです。
当然ながらダンサーになることを目的として習うわけではなく、体の隅々まで思い通りに自由にコントロールできるようになることを目的としています。
俳優を目指し始めた人ならわかると思いますが、最初は立つ・座る・普通に歩くといった動作が演技になると自然にできない人が多いことに驚くと思います。
自分の体を指先まで思い通りに動かせるようになることは役を演じる上で大事ですね。
・読解力
俳優は台本をただ読むだけではなく、そこに書いてある時代、場所、季節、天候、シチュエーション、年齢、性格などさまざまな情報をキャッチしてイメージを膨らませます。
そして、この物語が何を伝えようとしているのか、大事なポイントや要点はどこなのか、などを理解する能力が必要になります。
それが「読解力」です。
以下の記事にも書いていますが、最初は疑問を持って台本を読むことが大事です。
なぜ?
どのぐらい?
本当に?
そして、伝えたいことを理解するために大事なのは「つまり」「要するに」を理解することです。
何が言いたいのか「要点」を見極めるということですね。
素晴らしい!その通りです。
・向上心
あたり前のことですが向上心なくして満足のいく演技力を身につけることはできません。
満足がいくことは永遠にないかもしれませんが・・・
しばらく俳優活動を続けていると、セリフを覚えることにも人前で演技をすることにも慣れてはきます。
でも、それで自分が演技ができるようになったと思ってしまった時点で成長は止まります。
「慣れ」と「成長」は違います。
日々の積み重ねを継続するためには、常に向上心を持っておかないと続きません。
・勇気(行動力)
何か行動を起こす際にはちょっとした勇気が必要なので「勇気=行動力」と書きましたが、あなたがこれから俳優を目指す上で勇気が必要になる場面がたくさん訪れるでしょう。
もちろん人前で感情を開放する勇気も必要ですし、何か習い事を習うなど新しいことを始める時にも「よし!」というちょっとした勇気が必要になります。
その勇気が行動につながっていきます。
行動力を持って突き進んでいくためにも勇気を持って、自分を奮い立たせながら前進していきましょう。
■まとめ
演技力を身につけるために必要な10の要素を解説しました。
演技力に絶対必要な要素
- 発声(腹式呼吸)
- 表情
- 感情開放
- コミュニケーション能力
- 想像力
- 表現力
- 運動能力
- 読解力
- 向上心
- 勇気(行動力)
こうして見てみると、さまざまな要素が絡み合ってることがわかると思います。
演技力を身につけるって大変だなと思ったかもしれませんが、そのほとんどが意識さえしておけば日常的に普段の生活の中でも訓練ができることばかりです。
セリフの言い方(言い回し)などは表層的なテクニックなだけで、本当に大事なのはその表現を選択した動機や思考、感性にあります。
そのことを頭に置き、普段の生活の中でも演技力に結び付くことを意識して身につけていく訓練をすることをおすすめします。