演技が上手くなるには見せ方も大事。すぐに使える7つのテクニック

役を演じる上で「思考」や「感情面」など、軸となる内面をしっかりと作り上げることは絶対的に大事です。

ただ、内面だけをしっかり作りこんだからといって、視聴者や観客の心を揺さぶれるかというと、そういうものでもありません。

作り込んだ内面を「効果的に見せる」ことも大事です。

せっかく美味しく作った料理も、飾り付けや盛り付け方一つで見映えが大きく違ってきますよね。

演技にもそれと同じことが言えます。

効果的に見せるために使えるテクニックは数え切れないほどありますが、 簡単に使えて、ちょっと工夫すれば演技が上手く見えるテクニックを7つご紹介します。

■演技を上手く見せる、すぐに使える7つのテクニック

念を押して言っておきますが 、役を演じるにあたって、 まずは内面をきっちりと作ることが 一番重要であることは間違いありません。

まず内面をしっかりと作り込むことが大前提にあって、その次に「見せ方」の工夫があります。

「内面の作り込み」「見せ方」、 どちらもしっかりと作り込んでこそ、見た人に伝わります。

演技が上手くなるには、両方ともをしっかり作り込んでいきましょう。

それでは、すぐに使える簡単な演技のテクニック(小技)を7つご紹介します。

その7つのテクニックは以下になります。

演技に使える簡単な7つの技
  • 「間」の使い方
  • 緩急
  • 目線の使い方
  • スキンシップ
  • 呼吸(息を吐く、息を吸う)
  • 唾を飲む
  • 歯を食いしばる

❶「間」の使い方

「間」の使い方はとても大事で、間の取り方ひとつで、大事な言葉や演技の伝わり方が全然違ってきます。

たとえば、大事な言葉であったり、視聴者にしっかりと聞かせたい、印象に残したいセリフなどの前には少し長めの「間」を取って、しっかりとひきつけておいて、聞く態勢を作ってからセリフを吐くと印象に残りやすくなります。

または、 怒っているとか、 はやる気持ちを抑えられないというような感情の高揚を表現する時には、「間」を詰めて相手のセリフに被せるように自分のセリフを発することで、怒り具合やはやる気持ちを表現することもできます。

きっと日常生活の中では、誰もが自然にこの「間」を使い分けているはずですが、演技になるとなぜか全て一定間隔の「間」になってしまう人が多いです。

「間」の使い方を工夫すれば、それだけでもかなり演技の上手い人に見えます。

❷緩急

緩急は「間の使い方」とよく似ています。

似ていると言うか、つながりがあると言った方が適切かもしれません。

なぜなら、「間」を短くしたり長くしたりすることでも、緩急がつくからです。

ただ、緩急は「間」だけに言えることではなく、セリフ自体のスピードや行動、体の動くスピードなどに変化をつけることでも緩急が生まれます。

効果的に緩急をつけることで演技にメリハリが生まれますし、 リズム感やテンポが出て見やすくなります。

❸目線の使い方

目は口ほどにモノを言う」という言葉があるように、 目の使い方はとても大事で、うまく使いこなせば非常に効果的です。

日常の中でも「アイコンタクト」で、言いたいことや感情を伝え合うこともありますよね。

それぐらい」には伝える力があります。

「上目遣い」「上から目線」など、目の使い方自体も工夫できますし、 目線の使い方や外し方などもとても効果的な表現に繋がります。

普段から、言いたいことや伝えたい気持ちを、言葉ではなくて目で表現する訓練をしてみるのも面白いと思います。

❹スキンシップ

体の触れ方や密着度で何が表現できるかと言うと、感情面はもちろんのこと、相手との距離感や関係性を表現することができます。

たとえば、「オッス」と言って挨拶をするとします。

  • 「オッス」と言いながら手をあげるだけ
  • 肩をポンと叩きながら「オッス」と言う
  • 後ろからガバッと抱きつきながら「オッス」と言う
  • お尻をポンッと叩きながら「オッス」と言う

これだけでも、相手に対する感情や関係性、距離感などを表現することができます

より効果的に、 説得力のある表現をするために「どこを」「どのように」触れるのか、または触れないのか。

演技が上手くなるには、そういった細かい部分までしっかりと工夫することで、表現力の幅が大きく広がります。

❺呼吸(息を吐く、息を吸う)

呼吸を上手く使うことでも、様々なことを表現できます。

日常生活の中でも、あまりにも驚く出来事に遭遇した時などに、ハッと息が止まりそうになった瞬間は誰にでもあると思います。

また、テンションが上がって息継ぎも忘れるほどの弾丸トークをしたときや、笑いすぎたりしたときなどに過呼吸のようになった経験がある人もいると思います。

それ以外にも、ため息ひとつ吐くだけでも、心身共に疲れている状況や、反対にホッと一安心した心境など、いろんなことが表現できます。

  1. 息を吐く
  2. 息を吸う
  3. 息を飲む
  4. 息を(が)止める(止まる)

呼吸をうまく使いこなすことで、より効果的な表現をすることができます。

セリフのどのタイミングで息を吸う(吐く)のか、浅く(深く)吸う(吐く)のか、などをしっかり考えて効果的に工夫してみると、印象や意味合いが変わって、演技の表現力レベルがアップします。

❻唾を飲む

「息を飲む」のと同じように「唾を飲む」(飲み込む)というのも、効果的に使えば幅広い表現につながります。

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セリフを話さなくても、それ一つで心境を表現することさえもできます。

また、それが映像なら単純に視覚的にも、より効果的な肉体を使った表現方法になります。

たとえば、自分にやましいことがあって、それをズバリ言い当てられたときに、ゴクリと唾を飲み込むことで図星であることをわかりやすく表現することもできたりします。

細かい小技ですが 、こういったさりげない技を盛り込んでいくことで、より豊かな表現力につながります。

❼歯を食いしばる

あまりにも小さい技なので舞台ではほとんどわからないですが、映像では効果的です。

歯をギュッと食いしばることで「怒り」や「我慢」などを表現することができます。

実際に鏡の前でギュッと奥歯を噛み締めてみてください。

頬の筋肉が動くのがわかりますよね。

こうした体の一部や筋肉を動かすことで、効果的に「心情」や「感情」を表現することができます。

■まとめ

今回ご紹介した「技」(テクニック)は、普段の日常生活の中では、無意識で自然に動かしている部分ですよね。

なので演技の中でも、流れでやってしまう人が多いです。

もちろん、決め込みすぎて、段取りを追いかける「段取り芝居」になってはいけませんが、何も考えずに「流れ」だけでやってしまうのもよくありません。

なぜかと言うと、「自然だけど印象に残らない」ということがあるからです。

なので、あくまでも「自然に見せる」ことを大事にしながらも、最大限に工夫して、効果的で説得力があり、印象に残る演技を目指しましょう。

最後にもう一度念を押しておきますが、表面的なテクニックは最後の盛り付け(飾り付け)段階です。

先に中身をしっかりと作ることを忘れないようにしてくださいね。

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